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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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長らく放置ですみません。
暑い日が続きますね。
エアコン頼りっぱなしで乾燥しすぎたか、喉をやられました・・・
皆さんも体調にはくれぐれも気をつけて。

以下はパロココマの続きです。




一部ココのせいでもあるが、この森の入り乱れた電磁波ではココの目では返って何も見えない。
むしろ今日は森を探索するのは諦め、この一日で村に異常が起きていないか探る事にした。



嫌でも慣れてしまったが、いつものようにココが振りまきたくもない愛想を振りまいて、世間話と言う名目での情報召集に勤しむ。
「神父様がこんなに私達の事を知りたがってくださるなんて!」
群がる女性はお喋りだ。

君たちじゃなくて僕が知りたいのはこの村の過去の死者と現在までの行方不明者だけどね…とは心の中だけで呟いておく。
流石にそれを直接聞いて回るのは不振に思われるので、世間話に乗じる形になるのだが、喋り好きな女性達は、ココが尋ねずとも様々な事を話し掛けてくる。
なかでも未亡人や幼い子供を病気や事故で亡くした女性、出稼ぎに出た家族と長く会えていない人によく気を遣ってその女性が淋しがらないよう心を砕いてくれていると評判はうなぎ登りだ。

時折男からの神父は遊び歩いているばかりで仕事が楽で良い等とやっかみ半分な事を言われるが、次の瞬間には周囲にいた女性の猛攻撃を受けているので、ココから何か言う事はない。
ただ心内で変われるものなら変わって欲しいと思っているだけだ。

教会で埋葬した人に関しては記録が残っているが、数、年齢、性別等に特に大きな偏りや不審な点は見当たらない。
しかし、何もない村なだけに、町へ出稼ぎに出ている村人は非常に多い。
中には出稼ぎに出たまま帰ってこない事も少なくない。
町に住居を移したのか、村に帰れない事情があるのか。
それとも・・・・
疑問点の解決は、まだなされていない。

森に出かけずとも、ココは忙しかった。
人のいる時間を見ては男性のやっかみを受けながらも外に出て情報収集に励み、人があまりいない時間には書斎に籠もっては古い資料や記録を漁る。
未だ不明な点が多い結界の解析も必要だ。
放置されれば丸一日でも資料室にこもりきりでココ自身に不満はないが、同居人の小松が心配するので、あまり籠りっぱなしにはしないようにしている。
勿論出かけたり籠るばかりではなく、神父としての義務も勿論果たしている。

無理をしないようにするとは心に決めたが、やはり小松との時間をゆっくり取れそうもない。
今朝も朝食の時に顔を併せたっきりだ。
夜はココが小松へ食事を与えてしまえば、会話をする事は困難になる。
上手くいけば小松が仕事に出る前に、もう一度顔を合わせて挨拶くらいは出来るだろうか。

しかし最近小松はどうも今までより仕事に出かける時間が早い。
ココが倒れて看病していたせいで、その欠勤分を補っているのかもしれないと思うと、ココからは何も言いだせない。
小松も特に早目に出る事に関して何も言う事は無かった。
・・・それは、まぁ、ココが殆ど小松と共に居る事がないせいもあるのだけれど。

出来得る限り特定の人と話さないよう気をつけながら、言葉を慎重に選んでの会話はココの精神を疲労させる。
それでもココは穏やかな笑顔を崩さず、女性達との世間話に興じていた。
元来人と居るのが苦手なココは、小松と居る時だけは驚く程気を使っていなかった。
意識して、言葉を選んで、と緊張する必要がないのだ。
だからこそ、時折他の村人には言わないような毒を吐いたり、配慮に欠けた言葉で小松を傷つける事もあるのだが。

あぁ、こんなかしましい女性達とではなく、小松くんとゆっくりお茶でも飲みながらのんびりと過ごしたい・・・・
今日も話を聞く限り、とりたてて日常と変化はないようだった。
最大のニュースと言えば、最近出稼ぎに出る予定だった農家の男が、うっかり村の酒場で酔いつぶれ、茂松に送ってもらって親兄弟にこっぴどく説教された事くらいだろうか?
彼は今朝方日の出と共に慌てて町へと飛び出したらしい。

会話を続けながらも、今日はあらかた聞きたい情報を聞き出してしまったココは、意識もそぞろに相槌を打った。
あー帰りたい。
今の心境はまさしくそれだが、その場に居た女性は誰もがココの微笑みにやられて気づかれることもない。

しかしある話が女性の口をついて出た時、ココは精神力で維持していた笑顔が凍りつき、目を見開いた。
「…え?」
思わず間の抜けた返答を返してしまったくらいだ。
「ですから、小松もそろそろ身を固めたほうが良いんじゃないかって、宿屋の奥さんが色々紹介しているみたいですよ」
「そう言えば今日も奥さん、写真持ってたわね」
「小松がいつもより早い時間にいそいそと宿屋に入って行くのも見た事あるわ!」
「良いお嫁さんが見つかるといいわね」
私は神父さま一筋ですけど~!と言う後半は耳に入らなかった。

「…ああ見えても小松は25なんですのよ?」
別の女性がそう告げる。
「ええ…知っていますよ」
最近知った事実ではあるが。
何とかココは笑顔を取り繕った。

いつもと変わらない日常。
自分ばかりが忙しくなり、トリコを少し恨みたくもなりながらも、変化などないと思っていた。
何かあれば小松も報告してくれる。
そうでなくとも普段からココが食事しているところを眺めながら、こちらが黙っていたって今日あった事などを楽しそうに話し掛けてきたりするのだ。

小松からは何も聞いていない。
だから、ココは小松に結婚の話が来ているなんて知りもしなかった。
黙っているのは、小松がココに言いたくない事柄だからだろう。
屈託なく何でも話しているように見えて、きちんと話す事は選んでいたようだ。
普段の会話に嘘の気配は伺えなかったが、その事だけ言わずに隠していれば、他の言葉に嘘はないのだろう。

秘密にしているのは、ココと見合い相手がはち合わせるのを阻止したかったからだろうか。
こう言ってはなんだが、ココは幼女から熟女問わず女性に人気がある。
その女性までココを見染めてしまえば、小松の縁談が上手く運ぶ筈がない。
どれだけ自意識過剰だと言われたとしても、ココにとっては己の容姿を客観的に見つめた上での判断だ。

宿屋の奥さんも一枚噛んでいるらしい。
村娘だろうか?
それとも他の村からの娘か?
宿屋や酒場と言えば人が集まるところ。
この酒場には村人もよく集まる。
当然皆がその認識があるので、村娘でも、見知らぬ女性がやってきたとしても、怪しまれる事もない。
つまりは見合い場所は宿なのだろう。

・・・宿。
まさかそこまで考えた上での見合い場所だろうか?

ただ、トリコがこの村に来た時以来、小松が夜に帰って来なかった日はない。
夜に補給していることもあるだろうが、小松から昼にして欲しいと言われた事もない。
だが以前はココも村長に呼ばれて一泊、など小松に許していた。

いずれそういう事があるのだろうか?
仕事だと言われれば、ココに小松を止める理由はない。
そして紹介者が宿屋の女将だと言うのなら、仕事を調節する事だってたやすいだろう。
夜に宿屋の客室で小松が何をしているのか。
考えたくなくてココは頭を振った。

小松が・・・結婚?
自分と同じく縁のない話だと思っていたが…もしかしたら自分が知らなかっただけで、今までもあったのだろうか?
「…神父さま?」
「あ、いや、失礼。少し用を思い出したので、教会に戻ります」
それでもココは何とか笑顔で答え、その場を辞した。



教会に戻ってからも何をするわけでもなく、落ち着きなくキッチンや部屋を行ったり来たりを繰り返す。
資料室に籠ったり森に行く気はなかった。
しかし今日も早くに出てしまったのか、戻ったココは小松が居ない事に肩を落とした。

…別に、おかしな話ではない。
小さな村では適齢の男の数は限られる。
一攫千金を狙って街に出ず、村で働く男手は貴重なのだ。
だから、今までだって何件もそんな話があったかもしれないし、まとまりそうでなければココに言う必要もない。
”裏切り”という選択肢は、ココの中からは最初から除外されている。

「…かもしれないけど、それにしたって一言くらい…」
最近ちゃんと話す時間をとってないから言いそびれていたのだろうか?
なら、今日なら?
ココがちゃんと部屋に居て、話す雰囲気を作っていれば、小松もたやすく話してくれただろうか?
けれど話されたところで、どう反応すれば良い?

秘密にされるのも嫌だが、小松が結婚すると聞くと胸がモヤモヤする。
まとまらない思考を放棄する事も出来ず、ココは夜まで過ごした。



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プロフィール
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波竹 きみる
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性別:
非公開
自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
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