書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。
そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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遅くなりましたー。
ってもうこれしか言ってない気がしますが。
迷走中は相変わらずです。
翌日。
ココは小松より先に目が覚めた。
最近では珍しい事だ。
だが、元々ただ疲労が溜まっていただけだったのだ。
小松が甲斐甲斐しく世話をしてくれた事もあり、丸一日も身体を休めれば、むしろ前以上に身体が軽い。
まだ小松が寝ている事を確認し、ココはそっとベッドを離れた。
神父服に着替え、音をたてずに外に出る。
何時もの散歩のルートを通り、東から森へ出た。
ざわつく空気。
しかし、昨日感じた程の雰囲気はない。
何かが起こる・・・そんな予感を感じさせる嫌な空気はなりを顰めている。
それは危険が一時的にでも過ぎ去ったのか、それとも既に起こってしまった後なのか。
ココには確認する術はない。
ただ、村で大きな騒ぎは起きていない、筈。
今朝の村全体の電磁波は、特にココに異常を感じさせない。
だが一日中寝ていた分の遅れは取り戻さなければならない。
それは今回痛感したように、無理はしない範囲で、だ。
何かが起こった時に、万全の態勢で臨めるようでなければ意味がない。
森の中は木々が視界を悪くさせているが、少しばかり開けた場所も残っている。
いくつかの邪魔な草花を取り除き、更地にしたココは徐に足元に陣を描き出した。
魔術。
それは結界師と同様、先天的な才能を持っていないと行えない特殊能力だ。
だが、結界とは異なりたった一つだけ。
一般人でも知識さえあれば出来る魔術が存在する。
生涯、たった一度しか使えないそれは、当然ながら普及している訳ではない。
己の魂と引き換えに、召還した悪魔に願いを叶えてもらうものだからだ。
所謂、悪魔召喚。
願いを叶え終わった後は、己を対価として差し出す為、死体すら残らない。
しかしそれが成功するのは良い例だ。
召喚した悪魔のレベルによっては、召喚者の望みを叶えるだけの力量を持たずに魂を要求する悪魔がいる。
更には召喚者の願いを叶えるだけの力量を持っていても、魂の対価が見合わなければただ一方的に魂を貪られて終わる事もある。
相手は悪魔なのだ。
召喚して己の魂を捧げても、必ず望みが敵うとは限らない。
人間を餌としてしか見ない悪魔も、人間に絶望を与えるのを楽しむ悪魔も大勢いる。
望みを叶えると言うのは、甘言と、あくまでその悪魔の気まぐれによるものだ。
ただ、甘言を述べ、人を騙そうとする悪魔は総じて人型を取る事が多い。
当然、人間を誑かす為にはその方がやりやすいからだ。
そしてそういう類の悪魔は総じて人を陥れる。
だが昔、それを逆手にとった人間が居た。
己の魂を対価として差し出す。
正当な契約を結んでしまえば、その人間の魂を得るまで、その悪魔は対象者を守らねばならない。
他に奪われてしまえば、魂を己のものに出来ないからだ。
人型の悪魔が人に御し難いのであれば、動物型の悪魔を呼べば良い。
力さえ見合えば、そちらの方が騙される心配も少ない。
そして、その場で容易に叶え終わってしまわない願いを言えば良い。
そうすれば、悪魔は自然と対象者の命を守る為、召喚者の危機に異界より出現する。
生命の危機と常に隣り合わせ。
そんなハンター達にその手法は受け継がれた。
勿論全てのハンターが悪魔と契約している訳ではない。
だが、ハンターの中でも特に上位に位置する吸血鬼ハンターの中では、殆どの者が悪魔召喚を行っていた。
動物型は愛情をかけてやれば、信頼関係に似たものを築ける事もある。
己が弱れば魂を狩ろうと襲ってくるので油断は出来ないが、使いようによっては非常に有効に活用出来るのだ。
自ら天に召される事を望まないハンター。
教会と折り合いが悪いのは当然と言えた。
ボウっ・・・
描き上げた陣が淡い光を放つ。
禍々しいそれは確かに悪魔召喚のそれ。
ココはその光を帯びた陣の中心に立った。
ずるり
黒い闇が陣から這いずり出てくると、ココの足元に絡みつく。
わだかまる闇は徐々にその質量を増すと、一気に広がりココの身体を包みこんだ。
「ぐっ、ぅっ・・・!」
己の魂を捕食する悪魔に身体を嬲られ、ココは身体を捩る。
この瞬間だけはいつも慣れない。
召喚した魔が、まだ願いを叶え、召喚者の魂が貪るに値するかどうかを値踏みしているのだ。
しかしそれも一時のこと。
「っ・・・はぁっ・・・」
ぽたっ
一筋の冷や汗がココのこめかみから頬へ、そして顎を伝って陣へ滴る。
それがきっかけだっただろうか?
すぅっと最初からそこに何もなかったかのように陣は霧散し、消えた。
しかし黒い闇は未だココに纏わりついている。
魔力の揺らぎはあっただろうが、村へは結界が作用して伝わらない筈。
そして魔の気配も含む電磁波が入り乱れた森であれば、この程度の揺らぎは大きな問題とはならないだろう。
「・・・・キッス。一つ頼まれてくれないか」
声をかければココの身体が纏う黒い霧がココの腕へと収束していく。
ア゛ー
烏に似たフォルムで、キッスと呼ばれた魔物はココの腕に降り立った。
やっとキッス出せた!
・・・けど、また妙な設定を盛り込んで・・・私はこの話をどこへ持っていきたいんだ・・・
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