「ありえないよ」
「理想論だし」
「そぉかぁ?」
「トリコ、お前夢見過ぎだし」
「同感だね。それが成立するなら僕はあんな思いはしなくて済んでいたかもしれない・・・」
「ココ・・・」
「おっまえら暗いなぁ。もっと前向きに考えろよ。昔はたまたま運が悪かったんだ」
「お前は楽観的すぎる。現実は嫌というほど知っているさ」
「上辺だけ、俺らを知らないという前提で可能って意味でなら賛成してやるし」
「いや、サニー。それじゃ、意味ないだろう」
「じゃーお前らの結論としては・・・」
『当然。成立しない』
「ふふん。見てろよ、ココ!サニー!世の中は広いんだ。ぜってぇ俺らをありのまま受け入れて、そのまま態度を変えない奴だっている!」
「居ねぇし」
「あぁ・・・最初から嫌悪の視線を向けて、僕らを知って態度が変わらない人間ならいるかもね・・・」
「ちげぇって!もっとダチ的な意味でだっつの!」
「トリコ。これ以上不快な話はしないでくれないか?僕は今のままで十分なんだ」
「もう良いし。この話はこれで終わりだし」
「つまんねー奴ら。もっと新しい世界を楽しめよ!」
「少なくとも箱庭に居た時や追いかけられていた時より今の生活に満足しているさ」
「行動制限が減っただけでストレスも多少減ったし」
「小せぇな!・・・よーし、俺がこれから証明してやる!これから出会ったダチをお前らの前に連れてきて自慢してやる!」
「ふん・・・」
「好きにするといいさ」
「お前らこそ、後悔したって遅せぇからな。次会う時、楽しみにしてろよ!!」
「ちょ、おま、それまで俺らと会わねーつもりかよ!?」
「何年後になるか楽しみだ。あぁ・・・もしかしたら今日が今生の別れかもしれないね、トリコ。達者で暮らせ」
「おい」
「それよりサニー。次こっちに来る時はリンちゃんも連れてきなよ?」
「トリコがいねぇなら来ないかもしんねーけど、声だけはかけてみるし」
「・・・・・・・・・・・」
「なんだ?」
「まだ何かあるのか、トリコ?」
「っったく・・・夢のねー奴ら!」
夢のない彼らとどこまでも楽観的な彼
* * *
トリコは夢と飯を食って生きてます
ココが落ち着いて美食屋休業したあたりで、トリコやサニーが心配してちょこちょこ様子見てきてたら良い。
でもこんな会話でトリコはつまらない意地を張って来なくなっちゃって、サニーも最初は来てたけど、いつもトリコがいなくて居心地の悪さを感じ始めてあまり足を運ばなくなっちゃうんです。
特にキッスに出会ってココが精神的に落ち着いてきたなと感じてからは。
脳内補完でした。
その頃のトリコ。
「なぁー十夢~。ちょーーーっくら俺と一緒にグルメフォーチュンまで旅する気ねぇ?」
「かみさんも仕事も放って遠出なんて出来るかよ。他当たれ、他!」
「十夢ぅ~」