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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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とりあえず、土日の仕事も無事おわり、明日は休みを満喫できそうです!
そんな訳で盛大に間に合わなかったココ誕SSをアップ。

去年の続きなイメージだったんですが・・・しょっぱなにフラグ立ち上げておいて、回収するにはどう頑張っても続きものになってしまうと言う事に気づきましたorz
遅れた上に続きものかぁ・・・

最近書ききれないのが多くなってる気がするのが非常に頂けないので、とりあえずフラグはしょってアップ。
すごいシンプルです・・・えぇ、去年の続きだけあって・・・いや、むしろ去年より更にココマ色が消えて・・・ごほごほっ。

続き書いたら、前篇のこちらにも多少の追記する予定です・・・



それは2日前の事。
この月の29日は必ず僕は店を閉める。

グルメフォーチュンでは数年前からその事実はもう知れ渡っていて、察しの良い客はその時期の占いを避けてくれる。
そして当然、察しの悪い客・・・と言うより、占い目当てではないお客は、その前後に押し掛けてくる。

27日。
心なし周囲の客が浮足立った女性ばかりになったと感じながら店じまいをした。
 closeの看板と共に張り紙をつける。

『都合により、28日~31日まで休業とさせて頂きます』

いつもは29日だけ。
しかし今年は違う。
嫌でも忘れられない誕生日は、今年は去年に比べて少しばかり変化を見せた。

今のところグルメフォーチュンのファンの空気や、自宅での生活に特に変化はない。
けれど、僕の気持ちは”迷惑”とか”邪魔”とか”気疲れする”とかそういうマイナス思考から、”期待””楽しみ””嬉しさ”と言う、世間一般で言うところの、ごく一般的な感覚を持てるようになった。

今年もきっと、彼らは来てくれる。
連絡は取ってない。
けれど、去年約束した。

------今度はサニーさんやリンさん達も誘って皆でお祝いしましょうね!

それはきっと、彼からすれば酷くたわいのない出来ごと。
それが、僕の気持ちをどうしようもなく暖かくさせてくれる。

けれども期待と同時に訪れる不安。
もし、彼らが去年の約束を忘れていたら?
もし、約束どころか誕生日のことすら忘れていたら?

知っていて無視するとは思ってない。
けれど、忘れている可能性はあり得る。
そんな不安に耐えきれず、僕は自らを占った。

なんとなく手持無沙汰で占う事はあっても、不安で仕方なくて占わないと安心出来ないなんて初めてだった。
お金を払って占いをしにくる客の気持ちを知ってしまう。

結果で言えば、97%の確率で悲観するような事にはならなかった。
少なくとも、この期間を休みに設定するくらいには。
今の僕には占いより、去年よりきっと沢山必要になるだろう食材を、28日に出来る限りハントしておく事の方が余程重要だった。






「わ゛ーーーー!何ですか、この料理!!」
「すっげぇ!!」
「ちょー美味しそうだしぃー!」
「・・・まぁまぁじゃね?」

騒がしい客が来た。
占いで出た時間とぴったりだ、と時計を確認して笑う。
外に出してある冷めても問題ない料理に驚きを隠せないようだ。

「いらっしゃい。今まだ手が離せないから、入ってきてくれるかい?」
鍋を振るいながら家の中から声をかける。
家の中には今僕が料理しているものを含め、暖かい料理が並んでいる。

「お邪魔しまーす」
なんて可愛い事を言って入ってきたのは、小松くんとリンちゃんだけだ。
他の奴らはズカズカと入り込む。

「すごいっ!部屋の中もいっぱいだぁ!!」
感動した声を聞いていれば、ボクも朝早くに起きて料理をした甲斐があるというものだ。
今は見えないけれど、きっと彼の眼はキラキラして満面の笑顔を浮かべているに違いない。
想像するだけで楽しくなってきてしまう。

「おい、松・・・これじゃ、もう食材いらねーんじゃね?」
「う~ん・・・」
「俺が食う!」
「私も食べるし~!」
「おまっ、これ以上足太くしてどーするつもりだしっ!」
「うっさいし!」
「足だけじゃ済まねーしっ!たるんだ腹した妹を持つ兄の気になれっ!」
「たるんでねーしっ!ちゃんと動いてるしっ!」
お決まりの喧嘩が始まったようだ。

「おい、チョーシに乗るなよ、お前ら・・・」
聞き慣れない声。
いや、久しく聞いてない声、か。
調度料理の盛り付けも終わったので、皿をリビングに持っていく。

「おや、今年はゼブラも来たのか。騒々しいことこの上ないな」
「チョーシに乗ってんじゃねーぞ、ココぉ・・・」
軽口を言う僕にゼブラが凄む。
・・・・まぁ、凄まれたところで怖くなんかないけど。
本当は占いで知っていたけど改めて顔を見るのは本当に久しぶりだ。
そう思うと少しばかり感慨深い。

「ケンカするか、おぉ?」
けれど、二言目にはこうなるので、ちょっとゼブラは面倒くさい。
「お前、一体何しに来たの?」
呆れた声で告げれば、小松くんがキッと眦を釣り上げてゼブラを見た。
「そーですよ、ゼブラさんっ!今日はココさんをお祝いに来たんですから、ケンカはなしですって約束したでしょう!?」
「なんだとぉ?」
「駄目ですっ!その代わり、ゼブラさんの誕生日には、いっぱいご飯作ってあげるって約束したでしょう!」
「・・・ケッ!」
小松くんにじーっと見つめられて平静になれる奴なんていない。
それはゼブラでも例外ではなかったようだ。
ゼブラは早々に小松くんから目を離して手近な食材を掴んで口の中に放り込んだ。

「うめぇっ!」
「おい、トリコ!てめぇ、勝手に食うな!」
「つーか前ら食べ方きったねぇし!!」
ゼブラより先にとっくに食事に手をつけ始めていたトリコと、それに参加するゼブラ。
「2人とも、ちゃんといただきますして下さいよぅっ!ていうか!それ!ココさんのご飯っ!」
小松くんもツッコミに大忙しだ。

「いいんだよ、小松くん。占いで大体予想してた事だから」
だからこその料理だったんだし。
まぁ、流石に全ての料理をこの大食らい2人に食べつくされるのは困るけど。

それにしてもツッコミ過ぎて、何か大事な事を忘れてないかな?
目線だけで問いかける。彼らの目的なんて知ってる。
でも、ちゃんとその口から聞きたいから。

「そうだっ!ココさん。お誕生日おめでとうございます!!」
「おめでとーだし、ココ!」
「ふぉめふぇろふぁん!」
「トリコ汚ねぇし!・・・ま。良かったんじゃね?」
「・・・チョーシのんなよ」
まぁ、どんどんお祝いの言葉ではなくなっていっている気がするのは、気のせいという事にして。

「ありがとう、皆」
僕は素直にお礼を言った。
「どういたしまして!」
そう返事をしてくれたのは小松くんだけで、他は目を見開いてジッと僕の顔を見ている。

「・・・・なんだよ?」
皆の視線にさらされて、流石に少し居心地が悪くなってしまった。
「・・・誕生日祝われて素直に礼を言うココって何か予想外だし・・・」
「うん、お兄ちゃん・・・珍しー」
「丸くなったなぁ、アイツ。おい、ゼブラ。見習った方が良いんじゃね?」
「うるせーぞ」

トリコ達が来てもう30分は経とうとしている。
今ケンカしてない時点で、既にゼブラが大きな変化を見せている事に、トリコは気付いているのかどうか。
きっとサニーやリンちゃんは気付いている筈だ。
誰が与えた変化なのかは、言うまでもないだろうけど。

「あ、そうだ、ココさん!なんだかココさんに先を越されちゃいましたけど、沢山食材を持ってきてるんです。僕、料理しようと思ってたんですが・・・」
「是非お願いするよ」
「でも、外にもまだ沢山料理、ありましたよね?だったら保存食か何かにした方が良いでしょうか?」
「あ?外?おい、小僧。外には持ってきた食材しかねぇぞ」
「見なかったんですか?外のテーブルに沢山料理が・・・」
「食った」
「え?」
「俺が食ったから、もうない」
「早すぎませんっ!?」
ゼブラ1人、少し家に入ってくるのが遅いと思ったら、既に食べつくされていたようだ。

「おい、ゼブラ!俺に勝手に食うなとか言っておいてそりゃねぇだろ!」
「チンタラしてるお前が悪い」
「何ぃっ!?」
再び口ケンカしながら盗られないようにと速度を速めて食べるという、器用な事を始めた2人をあんぐりと口を開けて眺めている小松くん。
その頬をつん、と指先で突いた。

「まぁ、こういう訳だから。保存食とか気にせずに作ってくれると嬉しいな」
僕の料理は、僕が食べる為に作ったものじゃない。
むしろ、人に食べさせて、僕が少しでも多く皆の持ってきてくれた食材を、小松くんの料理を、食べる為の行為なのだ。
言うなれば、一般家庭の親が食べざかりの子供を高級店に連れていく前に軽く食べさせるようなもの。
ま、こいつらにとっては焼け石に水かもしれないけれど。
大量に作った料理を見る間に片づけて行く大食漢2人を呆れ顔で眺める。
リンちゃんはトリコばかりに見惚れているし、サニーはギャンギャンと2人に駄目出しをしている。

「はい。精いっぱい美味しい料理を作らせて頂きます!」
この人数でいて小松くんの笑顔を一人占め出来るのは貴重だ。
「アレに混ざるのも嫌だから、僕も手伝うよ」
去年は小松くんが料理するから、と断られてしまった行為だけれども。
僕が指さした先を見て小松くんも納得したのか、笑顔で頷いた。
「宜しくお願いします、ココさん」

きゅっ手を握られる。
不意に触れられて反射的にビクッと身体が強張ったが、それは本当に僅かの間。
しかし直接触れた小松くんは気づいただろう。

そう、触っているのは小松くんだ。
そしてこれは、ただの握手だ。

ゆっくりと気を落ちつける。
僕の身体の反応を知っている筈なのに、小松くんは手を離さず、かと言って力も入れず辛抱強く待っていてくれた。

「こちらこそ宜しく。小松くんの料理、楽しみにしているよ」
まだまだ不用意に人に触れられるのは苦手だけれども。
でも、今ここに居る人なら・・・・良い。
きっと身体が震えても、毒を出すまでには至らない。
それほどに心を許した存在だから。

ぎゅっと握り返せば、ニコリと小松くんが笑った。

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プロフィール
HN:
波竹 きみる
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
カウンター
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