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ココって、体を黒く塗って要所に緑の布を巻けば、普通に服を着ているように見えるんじゃないですかね・・・?
いや、コントロールして手首と顔だけ毒を出さないようにすれば、体を塗る必要すらないですよね!
小松なんてうっかり笑顔で裸のココにダイブしちゃうんじゃないですかね?
まぁ仕方ないから、駅までのお出迎えだったら黒いパンツは穿かせてあげるさ(何様)
べ、別に銀魂になんか影響されてないんだからねっ!
そんな訳で気づくと久しぶりになってたココマパロの続きをどぞ。
「じゃあな。俺は次の町に行く」
次の日にはどこから持ってきたのかと言う猛獣の肉で村の食料庫を満たし、トリコは至極あっさりと村を後にした。
村長の屋敷の使用人の代表として、メイドの一人が村の外まで見送った。
食料庫は元通りに満たされたとは言え、中身の質は以前と比べものにならない。
売れば一匹の獣の肉だけで数ヶ月は村人が問題なく過ごせるだろう。
他の町や村からの伝令で客人として遇した方が良いと言われているだけはある。
実はトリコは村長の個人的な客人ではない。
ただ通りすがったトリコを家に招いてごちそうしたに過ぎない。
しかしトリコはちょっとした有名人だった。
色んな村から噂や伝令が飛びかっており、中身は嘘か真か半信半疑のようなものばかり。
しかしどの村からもたらされる情報でも、トリコを遇しておいて損はない。というのが共通の認識だった。
実際彼女の主である村長も、随分と離れてはいるが隣村の村長からの手紙が届いていたからこそ信用して遇す準備をした。
最初こそあの食いっぷりに何度ももう食事を出せないと言い掛けたし、食料庫を空にされた時は心底どうしようかと青ざめたものだが、それに勝る見返りがあった。
今なら倍ソンを狩るハンターだって雇えるかもしれない。
そこまで思ってハタと気付く。
「まさかトリコ様はハンターなんじゃ…?」
そうでなければこんなレアな猛獣をどこで買い付けてくると言うのだ。
金持ちのボンボンの食い道楽と言うには、トリコの身体は鍛えられ過ぎていた。
しかも一人でこのような捕獲レベルの高い猛獣も狩れるのだ。
「あああああ…」
今更気づいても後の祭りである。
ちょっぴり切なくなりながら、メイドは村長に命じられていた通り、次にトリコが訪れるだろう村に早馬で伝令をお願いした。
トリコはあっさり村を去り、ココと小松は教会に戻ってきた。
「あれっ?」
グルメケースから取ってきた食材を片付けようと食糧庫の中を見ると何も入ってない。
調味料の棚を確認すれば、そちらはしっかり残っているようだ。
トリコに分けてもらった肉と取ってきた山菜があれば今日の食事は問題なく作れはするだろうが…
台所を任せられている自分としては、キッチンが記憶と異なる状態では困る。
「ごめんね、小松くん。トリコを止められなくて…明日買い物に行ってくるよ」
首をかしげているとココが申し訳なさそうに謝ってくれる。
そう言えば小松の食事中にトリコはキッチンに避難したと言っていたっけ。
トリコの食いっぷりを見ればそれで納得せざるを得ない。
しかし…
「何もまんま食べる事はないのに…」
素材の味を楽しむのも良いかもしれないが、食糧庫の中には調理すればもっと美味しく食べれる物も沢山あったはずだ。
勿体ないと言うか、トリコらしいと言えば良いのか。
「…小松くんは随分トリコが気に入ったようだね」
「えっ?」
食材を片付けて振り向けば、憮然とした顔のココ。
何か悪いことを言ってしまっただろうか?
「トリコさんはよく食べてくれるので、料理するボクとしては腕が鳴ると言いますか…」
それに、美味しいと言ってくれた。
あんな風に全力を使った料理は初めてだった。
「まぁ、流石にココさんにしてるみたいに毎日作るのは無理だと思いますけど」
苦笑しながら告げる。
確かに凄い人だし気持ち良いくらい食べてくれたが、毎日ああだと困る…いや、村が立ち行かなくなる方が先かもしれない。
「でも、また作るってトリコさんと約束しましたし!次はきっとトリコさんも満足してくれるような・・・って、ココさん…?」
片付けを終えた小松は俯いたままのココに近寄って覗き込んだ。
「小松くん、食事にしよう」
言うが早いかココは小松の手を取って歩きだした。
「ふぇっ・・・?」
向かう先は寝室だ。
引きずられそうになりながら、小走りでついていく。
「あ、ありがとう、ございます…」
やや唐突な話題変換に戸惑いながらも、ココが自分の食事より小松を優先してくれたのだと分かり礼を言う。
「別に…君の為じゃない」
ぽつりと呟かれた一言に小松は身体を強ばらせた。
聞かせるつもりがあったのかどうかは分からない。
ココが小松に食事を与えるのはただ村の平和の為だ。
小松が村人を襲うと村の平穏が保てないからだ。
「分かってます…」
そう答えて小松は唇を噛み締めた。