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うあぁ、こちらもまた久しぶりです。
何も考えずに書いてるから、落ちがないよ!どうしよー!
この変ココをどうしよー!おろおろ。
そして今週中に終わらないかもしれないという予感がヒシヒシ(汗)
駄目な予感ばかり漂わせつつの中篇です。
当日。
朝の一番から翌日まで仕事は休むと張り紙をして、ココはそわそわと自宅で服装をチェックしていた。
ホテルのディナーだ。
一応、タイはつけておこう。
ドレスコードがなければ、それはそれで構わない。
小松がくだけた格好であるならば、タイを外すだけだ。
四天王という肩書きがあれば多少の事は大丈夫だろうが、小松が予約しておいてくれたディナーでみっともない真似は出来ない。
ココはノータイでも栄えるたて襟のシャツに濃紺のスーツ。
さらにカシミヤのコートを身に着けた。
どこからどう見ても気合の入れすぎた格好であるが、それがココにはよく似合っている。
家の前にはリムジンが控え、お抱えの運転手がドアを開けて待っていても不思議ではない。
むしろとてもこれからカラスの背に乗る格好とは思えなかった。
待ち合わせは5時。
ディナーには少し早い時間帯だ。
しかしココは3時にはそこに居た。
いや、3時に到着し、その場でホテルに部屋を取る。
あまり下心アリアリなのが分かられてしまうのもどうかと思ったが、もし小松も期待してくれていたなら不甲斐ない自分を呪うくらいじゃ済まない。
小松が準備していてくれたなら、何食わぬ顔をしてそちらに合わせるだけの話。
荷物はないので、コートだけ預けてココはソファーに腰掛けた。
ココのことを考慮してか、待ち合わせはディナーをするホテルのロビーだった。
人通りの多い駅前などではココの容姿は悪目立ちする。
だが、そこそこ敷居の高そうなホテルのロビーであれば、一般人もそうホテルの中にまで入っては来まい。
部屋に居るのも落ち着かず、消命を使ってロビーで待つ。
だって何かの間違いで小松が早く来てしまったらどうするのだ!
待たせる事なんて出来ない!
そわそわしながら待つこと二時間弱。
果たして小松はやってきた。
実際にはやってきたと言っても常人には分からない程遠くに小松の電磁波を見たのだが、居ても立ってもいられず、ココは電磁波を頼りにホテルのロビーを飛び出した。
数歩駆けて、自分がすっかり消命を忘れていた事を思い出す。
ただでさえ街中は人通りが多いのに、あっと言う間に人集りが出来てしまった。
改めて消命を使えど、ココと言う明確な目的を持って探されると、勘の鋭い数人は気付く。
数人が気付けば後は芋づる式だ。
「キャー!ココ様よ!」
声を上げられればもう隠しようがなかった。
「ちょっと…ボクに近寄らないで」
言って聞いてくれるのならば苦労はしない。
「くっ…」
小松の電磁波はどんどん近づいてくるのに、ココの方からはなかなか距離をつめられない。
もどかしくて堪らないが、ここで一旦姿を眩ませると言う手段をココは取れなかった。
だってもうすぐそこに小松の電磁波が見える。
一分一秒すら長く会っていたい初デートで遠回りしてなるものか!
ココは押し寄せる女性の波を掻き分け、一直線に小松が居るだろう方向に進む。
どんっ
栗色の長い髪をした女の子とぶつかった。
小柄だったので気付かなかった。
結構思い切り良くぶつかったので、顔面を打っているかもしれない。
しかしココは構っていられなかった。
「失礼」
おざなりに一言謝っただけで一歩踏み出そうとする。
しかし女性がココにしがみついてきた。
さすがにそのまま歩く事が出来ない。
忌々しそうに舌打ちをしたくなるが、それより気になることがあり顔を上げる。
・・・小松の電磁波がない。
馬鹿な!
ついさっきまでは随分近くにあった筈。
人ごみに隠れて分からなくなっているのだろうか?
「小松くん!?」
声をかけてみたが、返事はない。
しかしチラチラと電磁波の欠片は見受けられた。
女性がさらに群がってきた。
電磁波がごちゃごちゃして、せっかくの小松の電磁波が見えにくくなってしまう。
しかも先ほどの女性がいまだにココにすがり付いている。
さっきから随分としつこい。
「失礼。待ち合わせているもので」
硬い声で拒絶する。
言葉としては普通だが、その声の硬さと表情が全てを物語っていた。
「ココさんっ!ボクです、ボクっ!」
ぴょこぴょこ栗毛の髪が跳ねる。
こんな女性に興味はないし、視界に入れる気もないが、近くに小松の電磁波があるのは明白で・・・・
「・・・ん?」
っていうかその女性から小松の電磁波が漏れている・・・?
「きみっ!」
ココは慌ててその少女の肩を掴んで上を向かせた。
「ココさ~ん・・・」
「!!」
可愛らしい服装の、可愛らしい姿。
そしてなによりその愛嬌のある顔立ち。
がばっ!
「うわっ!?」
ココは有無を言わさずその女性を担ぎ上げ、並み居る女性を押しのけて全速力でホテルの部屋へ連れ込んだ。