[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
拍手ぱちぱちありがとうございます。
スノボ行ってきました。
お尻を突き出したへっぴり腰の木の葉滑りでなんとか乗り切った本日。
コケ方が下手なのか、膝とお尻は相変わらず痛いです。
滑れるようになる気が全くしませんよ!
・・・でもまた来週末行く予定なんだじぇ・・・(汗)
でも次回はもう温泉メインにしちゃうんだもんね!
以下はパロの続きです。
ちょっと短いです。
しばらく道なりに森を進めば、あまり目立たない古い立て札があり、そこが村人が入るのに問題ない森の区切りとなる。
夜なら確実に闇に溶けて見過ごすだろうその看板は、しばらく補修された様子がなく文字すら薄く読み取り難い。
まぁ夜に森に足を踏み入れる奇特な村人はまず居ないだろう。
余程の事情がない限り。
今までは何とか細い獣道のようなものが続いていたが、そこから先は獣道すらなく植物が生い茂っていた。
くんっ
トリコが立ち止まり鼻を鳴らす。
そのままトリコは躊躇なく看板の先へと足を踏み入れた。
ザクザクザク
草を掻き分け森に踏み入る人間は三人。
トリコが掻き分けた場所を小柄な吸血鬼が続き、そして昔の仲間がしんがりを務める。
それにしてもまさか本気で同行するとは思わなかった。
何せトリコが誘おうとする前に何を言われるか察して一考の余地もなく断ってきたのだ。
トリコはそう思ってないが、昔の仕事だけでなく、そこに関するもの一切を絶ったつもりだったのかもしれない。
お互いが仕事をしている限り数ヶ月会わないなんて事もざらだったが、この数年はココから何の連絡もないばかりか、ココがハンターを辞めて神父になった事すら人づてに聞いたくらいだ。
久しぶりに会ったココは昔と変わらずトリコを受け入れた…ハントをする以外は。
立ち止まり、ちらりと後ろを振りかえる。
ココとは視線が会わなかったが、かわりに小さな同行者と目が合った。
「…何ですか?」
「いや…」
そんな拒絶を感じたと思ったのも束の間、小松がトリコのハントに同行したいと言った途端にココは己の意志を覆した。
ハンターとしてではなく、小松の監視者としてではあったが。
「…大物だと思ってな」
「おっ大物を仕留めるんですか?!」
どんな獲物なのか、どんな罠を仕掛けるのか、とますます興奮している小松はちっとも気付いた様子はない。
だがココは分かっているのだろうか?
普通神父に吸血鬼捕獲の義務は勿論、捕らえられた吸血鬼の監視などと言う仕事は一切ないのだと。
まぁまずあり得ない事だが、一般人が魔物をハントした場合はしかるべき組織に可及的速やかに引き渡される。
死んでいれば腐敗したり消えてしまう前に。
生きていれば逃げ出さない、暴れださない内に。
それに対する礼金が払われる事もあるが、命の対価にしては安すぎる。
やはりそれもハンターの仕事なのだ。
「…小松」
「はい」
「おまえが連れて来い」
「ええっ?!猛獣をですか?!ボクって囮の為に連れて来られたんですか?!」
見当違いな事を言う小松の声にココが顔を上げた。
「違う」
鋭い目を向けてくるココにも届くように告げる。
「えっ…じゃあ何を…?」
「アイツを、お前が、ここに」
トリコでは無理だから。
でもココはハンターだ。
それもとびきり一級の。
吸血鬼をハント出来るほどのハンターは少ない。
純粋に力負けしない事も当然であるが、人と同じ知力を有する吸血鬼相手だ、頭脳戦になる事もある。
先を読む能力に長けていなければ狩ることも出来ない。
ココ自身が引退しただなんて言っても、あんな有能な人物を協会が放っておくはずがないのだ。
戻ってこい、ココ。
あの村はお前がいるべき場所じゃない。
トリコとココの視線が絡む。
無言の会話がかわされるが今はトリコの一方通行だ。
トリコの視線を追って小松はにぱっと笑った。
「それならお安いご用です!ココさぁん!トリコさんが呼んでます!」
てててっと駆け戻り、小松はココの服の裾を引いた。
勿論トリコはそんな意味では言ってない。
「何、トリコ?」
と聞かれても困る。
ココも分かっていて聞いてるのだから質が悪い。
かわりにトリコは小松の肩を叩いた。
「その調子で頼むぜ」
「…?」
やはり分からないのか、小松は不思議そうな顔をしていた。