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今日は大学にいるお友達に会いに行ってきます。
一緒に晩御飯食べよーねと言っていたのに、コンビニご飯になりそうな予感ヒシヒシ・・・
ていうか日曜に普通に大学にいる時点で・・・
休みの日はごろごろしてる自分がなんて楽なんだろうと思わずにはいられません。
でも仕事たまってるんだけどね★
帰ったら本気で仕事しようと思うので、ココマパロアップしてから出かけます。
夜。
いつもの時間になっても小松は帰ってこない。
当然だ。小松も出掛ける前から遅くなると言っていたのだから。
「まだかな…」
ちらりと見上げる時計はさっき見たときから10分も経ってない。
後一時間ほどしたら迎えに行こうか。いやでも早すぎるかもしれない。
遅くなるとは具体的に何時頃になるのか聞いておけば良かった。
一人でいるのは苦じゃないはずなのにどうにも落ち着かない。
いつもは本を読んだり調べものをしているといつの間にか時間は経っているが、今日ばかりは集中出来ず、何度もお茶を入れに席を立ったり時計を眺めたりを繰り返している。
別に小松を疑っている訳ではない。
宿屋で働いているなら遅くても特に危険もないとは思う。
今日も小松はいつも通り元気そうにしていた。
気になる要素はないはずなのに、胸騒ぎともいかない胸の燻りが消えてくれない。
「う~」
らしくない。
こんなのは全然自分らしくない。
何の根拠もなく動くなどおかしい。
ぐしゃぐしゃとココは髪を掻き回した。
やるべき事は他にもある。
小松がいては出来ない事を今のうちに終えておくのも悪くない。
だがこのままではそれだってままならない。
もう一時間は過ぎた。
顔を見るくらいは構わないだろう。
「…よしっ」
しばらくの葛藤の末、ココは顔を上げた。
その時。
ぱたぱた…とちっともじっとしていない、慌ただしい音。
「すみません、遅くなりましたぁ~」
小松が戻ってきた。
それが分かってほっとして腰を落ち着ける。
「おかえり、小松くん。思ったより早かっ、た…ね?」
心にもないセリフが出てくるが、それは途中で止まった。
小松が持っていった筈の包丁を持っていない。
代わりに袋を下げている。
「ごめんなさい、まだ終わりそうになくて…またあっちに行くつもりなんですけど」
「そう…」
せっかくほっとしたのに、何だかガッカリだ。
「ココさん、もう晩ご飯食べましたよね?」
おずおずと尋ねてくる。
今日は小松は弁当を作っていなかった。
ココも大丈夫だと言ってくれたが、本当は夕食時に一度戻るつもりだったのだ。
しかしいつもより多い行商人達の相手をしており、予想以上に遅くなってしまった。
小松が戻ってくる時にはいつも弁当を食べ終えているココだ。
しかし言われて初めて気付く。
「そう言えばまだだったな…」
一人で料理しようという気すらなかった。
「良かった。遅くなったのでもう食べたかと思ったんですが、良かったらこれを食べてください」
小松は手に持っていた袋をココに差し出した。
「ありがとう」
中を覗くと今日小松に買ったばかりのグルメケースが入っている。
「えへへ…早速使わせて頂きました」
最初からそのつもりだったのだろう。
中には小松の料理が作りたての状態で保存されているに違いない。
予想通りと言えば予想通りだが、小松はやはりココの為に食材もグルメケースも使った。
「それにしても随分量が多いね」
袋から取り出したグルメケースには、いっぱいに料理が詰まっている。
「えと、その…実は明日の朝の分も入ってます…」
言いにくそうに切り出され、ココは眉根をしかめた。
そんなココを見てうっ、と言葉に詰まるが、結局は言葉にする。
「その、これから宿の方に戻りますし、朝も早いなら今日は泊まり込んで良いんじゃないかとご主人に言われまして…」
もじもじしながら恐る恐るココを見上げる。
おそらく主人に他意はない。
むしろ何度も教会と宿を行き来する手間を省くつもりなのだろう。
今までももしかしたらそうだったのかもしれない。
「駄目…ですか?」
難しい顔をしたまま黙っているココに眉を下げる。
そのあからさまにガッカリした顔を続けさせたくなくて、ココは難しい顔のまま首を振った。
「小松くんが休める場所はあるのかい?」
「あ、それは大丈夫です。ココさんが来る前は住み込みで宿屋のお仕事をさせていただいていましたし・・・」
「仕方ないね…君がそこまでしたいなら止めないよ」
「本当ですか?!ありがとうございます!」
駄目だと思っていた分、パッと小松の顔が輝く。
まだココの胸の燻りは消えた訳ではない。
しかしこんな顔をされれば納得せざるを得ない。
少しココの表情が和らぐ。
「さぁ、宿屋のご主人が待っているんだろう?早く行っておいで」
あまり長く笑顔を保っていられそうになかったココは、早々に小松を送り出す事にした。
「ぁ…はい。それじゃあ、行ってきます」
小松が返事を一瞬言い淀んだのをココに遠慮しているのだと結論付ける。
いつもなら小松が言わずとも気の回るココだが、この日ばかりは余裕がなかったのかもしれない。
くぅ、と小さく鳴った音にココは気付かなかった。
「…さて」
小松は今晩帰ってこない。
むしろ明日の朝からも宿を手伝うのであれば、戻れるのはどれだけ早くとも昼過ぎだろう。
一先ず気を落ち着けたココはおもむろにカソックを脱ぎだした。
黒く目立たず動きやすい服に着替え、今日購入したばかりのマントを羽織る。
腰のポーチに必要最低限の物を入れ、小松のくれたグルメケースを持つ。
念のため、小松へのメモを残すと、ココは静かに家を出た。
明かりは持っていない。
教会の周りは相変わらず人気はないが、それでもココは出来るだけ気配を消して歩を進めた。
小松が傍に居ない今しか出来ない事を行うつもりだ。
今までは昼にしか出かけられなかったし、人の目があるから必然的に長時間教会を離れる訳にもいかない。
村人に不審に思われないよう行動するのは気を使う。
しかも夜は夜で小松の監視がある。
それら全てから解放されれば、ココは自由に行動出来た。
教会を出たココの足は躊躇なく東へ向かった。