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サマー/ウォーズを見ながら、1月のインテであるだろううさ耳企画と合わせて、キング/カズ/マならぬキングトリコってどうよ!?と妄想してました。
・・・キング/カズ/マは髪の毛無い方が格好いいと思うんだ・・
毛を生やすなら金パじゃなく、青髪にして目元に3本傷のアバを入れたら良いんだ・・・
キングトリコ、ウサギの癖に格好良いのとかどうでしょう!?
誰か描いてくれないかなー。
・・・あ、でもうさ耳じゃなく獣化になる、か・・・?
最近受キャラである筈の小松の恥ずかしがる姿とかうさ耳とか考えるより、トリコのうさ耳とかココの恥ずかしがる姿とか妄想する方が楽しい自分がいます・・・
小松は男前ですからぁ!
以下はココマパロの続きです。
トリコの耳を摘まみ、資料室に連れ込む。
おそらくそのままで食せるものは全滅だ。
だが、調理しないと食べれないものはまだ無事かもしれない。
一縷の望みを託したココは、早々にトリコをキッチンから引き離した。
「聞け、トリコ」
ココは作業用のテーブルに地図を広げた。
村を中心とした近場の地図だ。
「まずここが現在地。分かってるとは思うが教会はこの村の最東端に位置する。南北に村を通り抜ける街道があり、基本的には旅人はここを通る。
こちらは特に問題ないようだが、東はすぐ森が広がっていて侵入禁止だ。これは倍ソンが東の森に巣を作っていたかららしい。
そして村の西には泉が湧いていて、人が一人二人通れるくらいの道が泉へ続いている。
井戸もあるが、それだけじゃ賄いきれないから、村人はそこからも生活用水を汲んでいる。
村との出口はこの四ヶ所だが、西は水車小屋があるだけでどこに繋がっている訳でもないから、厳密には三ヶ所と言って差し支えないと思う。
モンスターや野党避けの対策の為に出入口を夜封鎖したり結界を張ったりする事もあるが、この村は野党にも襲うだけのメリットがないからか、ただ結界の印を施しているだけのようだね。
そしてこの出入口の内、東の出入口だけが異常なまでに強力なんだ。
昼時にちょこちょこ村を見て回ったココは、村の配置や出入り口をチェックしていた。
今説明したように、主な出入り口はその三つ。
吸血鬼の気配すら絶ち切ってしまう程の強力な結界は、東の森へ続く道だけだ。
あの結界があるので村の中からは森の気配は一切感知出来ない。
お陰でココは毎朝散歩と称して東の森の入り口をチェックしに足を運ばねばならない。
「ちょっと待てよ。そりゃ、倍ソンが出たからじゃねーのか?なんだったら俺が狩って…」
「いや、もう僕が狩った。小松くんの料理は美味しかったよ」
「ズリぃ!」
「そう言うな。問題はそこじゃない。倍ソンは一匹しかいなかった」
そう言われてトリコは急に真面目な顔になった。
「待てよ。倍ソンが巣を作るのは繁殖期だけだ」
「そうなんだ。森の奥深くに生息していてたまたま村の近くに来ただけかもしれない。けど…あの強力な結界も倍ソンへの対策とは思えない」
「結界師は誰だ?強力な結界はそれなりに名の知れた結界師でないと張れない筈だ」
「…まだ解析中だ」
「お前が?」
苦々しい顔をして言うココに、トリコは目を見張った。
結界には結界師独特の癖が出る。
専門ではないが、その手の解析にココはかなり詳しかった。
伊達に頭が良いわけじゃない。
解析が出来れば結界師の名は勿論、結界の種類、かけられた時期、結界の強度、さらには完璧に解析出来れば結界の解除も可能だ。
その為、力を持つ結界師であればあるほど解析避けの対策も高度になる。
但し、高度な結界を張れる結界師は数少ない上に高額の依頼料がかかる。
例外はあるが、それが通説だ。
この村がそんな強力な結界を張る結界師を雇えるとは思えない。
「分かってるのは?」
「・・・倍ソンに対する指向性のものじゃない」
言いにくそうに告げる。
ココからはそれ以上の言葉が出てこない。
「それだけかよ!」
専門ではないとは言え、これだけココに悟らせないとは確かに本格的な結界だ。
「これは僕の推測だったんだけど…この村で過去数十年に渡って大きな問題はない。念の為近隣の村も当たってみたが、不審な人死には出てないようだ。ただ一月前、山向こうの街で行方不明者が出ている」
「街規模なら行方不明の奴くらい出てもおかしくないだろう」
「2ヶ月前、その更に向こうの街で行方不明者がいたとしても?」
「…」
「そして僕がこの村に来た当日にアレに会ったとしても?」
「会ったのか!!」
最も重要な情報をここで出すなど、人が悪い。
一気にトリコが目をギラつかせる
「小松くんを襲った後すぐ消えたけどね」
「小松って誰だ?」
「さっき会っただろう!僕らが話してる時に部屋に入ってきて、食事して眠ってるあの子だよ!」
「おー、アイツか」
トリコは興味がない情報は全く耳に入れる気がないらしい。
今更になって名前を確認され、ついココは声を荒げた。
「つーか食事って…」
「その質問は後だ」
「…分かった。じゃあ話はもとに戻すけど、元凶は今この村にいるんじゃねーのかよ?」
「いや、僕が当初立てた予想ではいないと思った」
「まだるっこしいな!」
ぐしゃっと髪に手を当てる。
「半年ほど前、北東の隣国で大規模な吸血鬼討伐隊が組まれた事があっただろう」
「あぁ…国王の命で吸血鬼ハンターが寄り集まってファミリーを作っちまった吸血鬼をなぶり殺したってヤツだろう。確かこの国との境に近かったな」
隣国の精鋭の吸血鬼ハンターが集められ、ファミリーを作って住む吸血鬼達を退治した。
一度ファミリーを作られれば、そのファミリーが更にファミリーを作る可能性が出てくる。
吸血は感染症なのだ。
もしそうなれば爆発的に被害が広がるだろう。
被害が大きくなる前に防いだ先見の明がある王として、隣国では歴史に残るだろう自慢の逸話だ。
ただし、もう少し詳しい事情を知るハンター協会の者は、違った思いを持つ者もいた。
ココはその考えに至った時から、そちらの情報も集めて調べている。
「あぁ。近いと言っても山脈を跨いでいるから、こっちの国では一般人には噂話程度ではあったのだけれど。ただ、表立っては全滅と言うことになってはいるが、実は一体だけ死体が見つからなかったらしい」
「マジかよ!」
「それなりの深手は負ったのまでは確実みたいだけどね。だから僕は半年前の生き残りが姿を隠しつつ、餌を補給しつつ国境を越えて南下してきてるんじゃないかと思ったんだ。丁度1ヶ月おきくらいに行方不明や身寄りのない者の原因不明の死が街で続いているからね」
勿論、街単位で行方不明者が出るのはそう珍しい事ではない。
身寄りのない人間が記録に残らないまま街でのたれ死んでいるのも、残念ながらままある事なのだ。
「って事は…」
「来月、ここより南の村で被害者が出る恐れがある」
「成る程。なら俺は南の村で張ってりゃいいわけだな。調査なんて面倒くせぇだけだと思ってたけど、お前がいたから簡単に済みそうだ」
そうすると小松は本当に運が悪かったのだろう。
南下してきてそろそろ餌を探そうとしている吸血鬼と遭遇してしまった。
飛んで火に入る状態だった訳だ。
ただそれだと腑に落ちないことがいくつか出てくる。
倍ソンの巣の事。
そして結界の事だ。
先ほども挙げたが、倍ソンは基本単独行動で、巣を作るのは繁殖期だけだ。
森の奥深くに巣を作り、たまたま村の近くに迷い込んだだけかもしれないが、だったら村人が巣を作ったなどと言うだろうか?
少なくとも人目に触れる、村に比較的近い場所に巣を構えていないとおかしい。
だが毎日入る東の森につがいや子供の倍ソンの気配はない。
また、まだ解析中の結界はそれなりに古いものに見えた。
倍ソン出現の時期に合わない。
だがそれだと強力な結界を張る意味がなくなってしまう。
その時期すら偽装されている可能性もあるのだが、倍ソン一匹に対してそこまで慎重に結界を施す必要性があるとはとても思えない。
そしてココが立てた仮説だが、調べた限り今までの死亡者や行方不明者はかなり人の多い街だけに限られていた。
それこそトリコが言ったように、一人二人居なくなっても大きな問題とはならないような街。
少なくともこのような人数の限られた小さな村での不審死はない。
疑問はいくつも残る。
そして何よりトリコがこの村に来た事。
”偶然にも”ココがそこで司祭をしていた事。
それがココには一番の悩みどころだ。
何の根拠もなく、協会がトリコのような有能なハンターを派遣する筈がないのだ。
しかも、ただの調査の段階で。
「…言っておくけど、僕は神父だからな。今のも自分が住むこの村の事だからこそ調べただけであって、隣村の事までは手を貸す気はない」
「分かってるって。俺もココがいるとは思ってなかったんだ。この村はお前に任せてりゃ安心みたいだし、有益な情報が聞けて良かった。また来る」
「…」
古い付き合いと言うのはやりにくい。
ココがこの村の神父である限り村を守るつもりである事を分かられている上、まだココが全てを話した訳ではない事まで見抜かれている。
それでいて尚憎めないのだから、「もう来るな」と冷たい態度を取る事も出来ない。
「そう言えばココ、アイツ…小松の事を聞いてなかったな」
そしてトリコは興味のない情報はすぐに忘れてしまうが、そうでなければしっかりと覚えているのだ。
「チッ…嫌な奴め」
…本当にやりにくい。
「えっ?!俺何かした!?」
大げさに驚くトリコにココはため息をついた。