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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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こたつを出しました。
これで寝落ちの準備はバッチリです★

以下はパロココマの続きです。


 

「食事って言ったな。夢魔か?…アイツが?」
トリコは自分で自分の言った事に自信が持てないようだ。

夢魔は人の精を食らって生きるモンスターだ。
夢から入り込み虜にし、徐々に肉体的にも蝕んでいく。
その為、被害者の好みに合わせた姿形を取る事が多い。

百年以上生きた夢魔は、被害者の好みの顔、体格、声、性格まで完璧に再現出来ると言う。
但し未熟な夢魔の場合はその限りではなく、絶世の美女な顔であるにも関わらず幼児体形だったり、外見を完璧に体現しても声や喋り方が可笑しくて正体がばれて怪しまれ、ハンターに狩られる事も多い。
最近はそれを恐れて長期間一人の人間に固執しない夢魔も出てきており、”燃え上がるような恋は夢魔を疑え”との言葉もあるくらいだ。

男性型女性型でインキュバスやサキュバスと区別される事もあるが、それはただ容姿の変化によるものの違いだけで、夢魔はどちらにも変形出来るのであまり変わらない。
通常はサキュバスが多いが、繁殖期はインキュバスが増え、女性を襲って妊娠させ数を増やす事が唯一の違いだ。

精を糧にする為、妊娠した母体は胎児の夢魔に栄養を吸われ続け、出産の時には死に至る。
産まれた赤子は親の夢魔と共に闇に溶けるように消え、夢魔を知らない者には単純に母子共に不幸だった、などと思われて終わる場合もある。

小松は明らかに男性体だった。
しかも、顔も身体も随分小作りな少年。
そしてココが間違いなく男である事は知っている。
「ココの好みって…」
胡乱な目でココを見るトリコ。
二人の距離は心なし遠い。

「違うよっ。彼は吸血鬼の被害者で…吸血鬼だ」
「吸血鬼…?」
訳の分からないことを言われてトリコは眉を顰めた。
「…多分」
更にあいまいな返答。

「バカを言え。アイツ、料理したり水を汲んだりする時に普通に昼間外に出てたぞ」
それでなくとも先ほどココの胸に触れた時にかけている十字架にも普通に触っていた。
吸血鬼ならそもそも教会に近付くことからしておかしい。
聖堂を避けているとは言え、神聖な場所から近い住居には、そうそう入ろうとも思わないだろう。

「だから多分と言っただろう」
「俺には全く普通の人間に見えたが…」
そう、さっき部屋に入ってくるまでは。

「…まさか血を吸ったのか?」
急所から血を吸われる事を想像してしまい、思わず内股になるトリコだった。
「品のない想像をするな。だったら普通に首筋を狙えば良いだろう」
「そりゃそーか」
ホッとして股の力が抜ける。

「一度血液のカプセルを溶かして飲ませようとしたけど、吐いたしね」
「じゃあ吸血鬼じゃねーじゃねぇか。根拠はなんだよ?」
「僕の血に反応した」
「お前の血ってだけじゃ、それこそ夢魔だってあり得るだろ?」
修行して神の祝福を受けた神父の血はモンスター全てが忌避する性質を持つのだから。

「ちゃんと伝えてなかったな。彼は以前は普通にこの村で生活していた村人だ。吸血鬼に吸血された後に変性と思われる症状もあった。
そして、飢えると吸血衝動が起きるよ。トリコがさっき見たのもその一歩手前の状態だ」
「けどそれ以外は全く人間と変わらないなんておかしいぜ」

吸血鬼に血を吸われて生きているのは、ただの貧血と眷属となるパターンだ。
レアなパターンではあるが、吸血鬼になったと思い込んだただの貧血の者が、吸血衝動に似た行動を起こす事もある。
だが、ただの貧血で済んだならココの血に反応する筈はないし、本当に眷属となったなら昼間に外に出れる筈もない。
思い込みの者が神聖な血を嫌がる事はあるが、それでも実際には火傷をしたり傷を負ったりはしない。
そもそも自分が吸血鬼になったと思い込んでいれば、日光の元に出ようとも思わないだろう。

「あ…そう言えば変性したての時は1週間くらい飲まず食わずでも平気だったよ」
ココの体液を除けば、普段から小松は人間の食事を殆ど取っていない。
もしかしたら宿屋で夕食を取る事はあるのかもしれないが、まだココが小松を拘束していた時は、一切食事を与えていなかった。

そうなると確かに小松は人間ではない。
少なくともそれだけの期間水分すら取らないと衰弱は免れない筈だ。

「ゲーッ!考えられねー!」
「…お前の場合は特にね…」
「で、食事がアレか?」
「疲れてる時だけは。普段は唾液で済むんだよ。彼は血を飲みたがらないから」

血を飲みたがらない吸血鬼。
そんな者がいるとは聞いた事がない。
いや、そんな者がいれば、そもそも吸血鬼という前提そのものが覆ってしまう。

「聞いている限りじゃ吸血鬼か夢魔か分かんねーな」
「もう数か月様子を見ているけど、ずっと彼は変わらないよ」
定期的な体液の摂取は必要とするものの、人間の食事は必要としないし、吸血鬼化が進んで日光や十字架、ニンニクを嫌がるというそぶりは相変わらずない。
だからと言って、食事をせず飢えると血を求めてしまうのも相変わらずで。
しかしそれは他の体液でも補える。

「ますます分かんねーな。何モンだアイツ」
「本人はただの村人で、料理人になりたいと言っているけどね」
「アイツが料理人じゃなけりゃ何なんだよ」
「…言うことが矛盾してるぞ、お前」
呆れたようにココが告げた。

 

ココの部屋に戻れば、小松は熟睡していた。
二人が戻っても全く起きる気配もない。
スピスピと鼻を鳴らしながら枕に顔を埋めている。
ココは小松の頭をそっと撫でた。

「まーとにかく続きは明日だ」
ドカリと普段ココが寝ているリクライニングチェアーにトリコが腰を下ろした。
丈夫で寝やすい椅子ではあるが、流石にトリコが納まればキツそうだ。
何より椅子が壊れないか心配でもある。

「寝るなら新しいベッドを用意するよ」
但し教会にいくつかあるのは簡易ベッドなので、トリコが寝れるようなベッドがあるかと聞かれれば疑問になるのは確かだが。
「いいって、面倒くせぇ」
ヒラヒラと手を振ったトリコは、そこで寝る事を決めたらしい。
こうなったらテコでも動かすのは難しい。
それを知っているココは早々に諦めると普段自分が使っている毛布を差し出した。
「サンキュー。お前もとっとと寝ろよ」
そういって向けられたトリコの視線の先を見て、ココは本気で悩んだ。

 

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プロフィール
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波竹 きみる
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性別:
非公開
自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
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