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何だかあっという間に毎日が過ぎ去っていく気がします。
とりあえず、新しい仕事を遅めに始める事を交渉してきたので、
トリコオンリーには遊びに行けそうです!わぁい。
春コミやスパコミも超行く気満々。いっそ、三月のインテにも行こうかしら・・・?それは行き過ぎ?
休みの間、普段会ってない元同級生とかにも会えると良いなぁ。
続きにココマのパロです。
ココって存在自体が非現実だから、パロが似合うんだと思う・・・
「ん・・・?」
カーテン越しにでも、うっすらと空が白んできたのが分かる。
「寝ていたか・・・」
ぼんやりとした頭を目覚めさせる為、頭を振る。
ベッドの主が強く魘される度に警戒して起きていたからか、今になってしばらくの間深い眠りに落ちていたらしい。
警戒すべき相手を縛り上げていたとは言え、随分と呑気なものだとココは自嘲気味に唇を歪めた。
バチッ
ベッドへと視線を投げかけたココは、まん丸に見開かれた双眸に一瞬戸惑った。
物言わずジッと見つめている。
その目に映るのは、ただただ驚き。
どうやら相手も目覚めたばかりのようだ。
相手の意識があるのに寝こけていたなんて、自分は数年の教会生活で随分と警戒心を薄れさせたらしい。
「やぁ、おはよう。目覚めたようだね」
ココは気を取り直して声をかけた。
相手に隠しながらそっと聖水とナイフを忍ばせるのを忘れない。
「おはよう、ございます・・・」
呆然としたまま、彼は挨拶に答えた。
「ここは・・・教会、ですか?」
「そう。正確には、教会の奥にある司祭の住居スペースだけれどね」
敢えて促すことはせず、現状把握に努める彼に応える。
だが、ココがそう答えたとたん、ギッと眦を釣り上げた。
「ちょっと!ダメですよ、勝手に入っちゃ!!」
「・・・は?」
予想外のセリフにココはまぬけな声を上げた。
ギシッ
「えっ・・・?」
起き上がろうとして、自身が縛りあげられているのに気づいた方も、疑問符がつく。
お互いがクエスチョンマークを付けた状態で、我に返ったのはココの方が先だった。
どうやら彼は、自分を勝手に教会に入り込んだならず者の類と勘違いしたらしい。
「・・・挨拶が遅れたね。僕の名前はココ。この村に新しく赴任する事になった神父だよ」
昨日は掃除をするのに汚れるといけないと思い、神父服を着ていなかった。
ただでさえ年若い己が神父などと言っても、今まで老人の神父しか見ていない者にはにわかには信じられないだろう。
神父=老人という図式が出来上がっていても不思議はない。
丸い目をますます見開いて、穴が開くほど見つめられる。
「え、と・・・村長さんから新しい司祭様が赴任するって話は聞いていましたけど・・・」
やはり彼は村人だったようだ。
「そう、それが僕。なんなら証明書でも見せようか?」
ココはクローゼットを開け、昨日の内にかけておいた自分用の神父服を出した。
同時に、中央より発行された赴任に関する辞令も取り出す。
だが、その書類を見せる前に少年は頭を下げた。
「す、すみません!ボク、ちょっと誤解して・・・!」
否、寝ている状態では頭は下げられないようだったが。
「いいさ。最初は皆疑問に思うだろうから」
むしろ確証もなくそんな簡単に己の言葉を信じても良いのか?とこちらが心配してしまうくらいだ。
目覚めて最初の心配が、縛られている自分の現状より教会にならず者が入り込んでいるという事だったなんて、珍しい。
奥の住居スペースを見ただけで教会と分かるということは、以前の司祭と深く関わりがあったのか。
「それより、昨晩の事は覚えてるかな?」
「へ?えーっと・・・・?」
うーん、と呑気に頭を捻っていた少年が、次第に青ざめていく。
自分が縛られている理由も理解したのだろう。
「ボク・・・ボク、吸血鬼になっちゃったんですか!?」
「さて。それは今から確かめないとね」
彼が意識を失う前の電磁波は知らないので、電磁波を見るだけで変貌したかどどうかは判断がつかない。
理性はある。
吸血鬼になった人間は、今までが嘘のように人間を餌としか見ない冷酷な性格になる事が多いが、それは大抵元がそういう性格だったり、
そうでなければ生きていられない精神錯乱防止の為の防御反応と見られている。
だが一方で、とても人間くさい言動、そういう例もある。
己を人間と思い込んでいる場合だ。
吸血本能には抗えないので、早く対処しなければ、一番悲惨な事になる例でもある。
「さぁ、灰になる準備は良いかい?」
物騒な事を口にすると、ココは返事も待たずにカーテンをシャッと開いた。
「うわっ・・・!眩しっ・・・!」
少年は顔を背けた。
「どうだい?」
「うー・・・なんだか目がくらくらします・・・」
手を動かせないので、顔を背けながら何とかやり過ごしているようだ。
次第に陽光を受け付けなくなるが、初期は日光過敏症のような症状で済むこともある。
ココは懐から聖水の小瓶を取りだした。
急に差し込んだ陽光に目を背けたままの額に小瓶を傾ける。
「んっ!冷たっ・・・!」
「ふむ・・・」
ぽちょん、と数滴垂らしたが、特に忌避する様子はない。
額から聖水が伝い、耳元まで濡らして擽ったそうに身を捩る。
伝った跡に熱傷もないようだ。
次に首にかけていたクロスを外し、鎖の部分を持って彼に近づける。
これに対しても怯えるでもなく、じっとココのすることを見守っているだけだ。
加護を受けた十字架は司祭の証たる宝玉こそ埋め込まれているものの、形は至ってシンプルだ。
それは、そこいらのゴテゴテと装飾の施された十字架より余程効果がある。
それを肌に触れさせる。
「痛っ!」
「っ!」
ココは素早く少年から一歩距離を置いた。
「ちょ、司祭様!角が刺さりましたよ!!もっと優しくして下さいよぉ!」
次いで言われた言葉にぽかん、と口を開ける。
「ぶっ・・・!!」
咄嗟に口元を手で覆ったが、聞こえてしまったらしい。
「わ、笑わなくても良いじゃないですかっ!」
「いや、すまない・・・ちょっと予想外の反応だったから・・・」
ココは改めて十字架の部分を持つと、少年のちょっと潰れた鼻の頭にその側面をピタリと付けた。
今度は予想通り、何の反応もない。
ただ、押し付けられて潰れた鼻が更に横に広がっただけだ。
しばらくしてココは十字架を自分の首にかけなおした。
「怖くないのかい?キミが本当に吸血鬼になってしまったなら、二目と見れない顔になるかもしれないのに」
ココはそう言うと、ベッドに縛ったままだったロープを解きにかかった。
「もともとそう見れた顔でもないですし・・・それに、本当に吸血鬼なら殺されるのも仕方ないと思いましたし」
「へぇ。若いのに随分と潔いね」
ロープを解いてくれているという事は、自分の疑いは晴れたのだろう。
少年自身も、聖水も十字架も怖くなどない。
日光だって最初は眩しかったが、今はなんて事もない。
「って。あ、れ・・・?」
ココは少年をベッドに括り付けていたロープを解いてはくれたが、そのまま両手と両足を繋げて改めて縛ってしまった。
起き上がれるだろうが、これでは歩く事もままならない。
「あのう・・・司祭様?わっ!」
ココは応えないまま、少年の背と膝裏に手を差し入れ、抱きあげた。
急な事に思わずココの胸元を掴む。
「もう少し付き合ってもらうよ」
そう言ってココは歩き出した。
どうやらあれで疑いが晴れたというわけではないらしい。
小さいとは言え、人一人を抱えあげても勢いのままに抱きつかれても、ココの体躯は些かも動じることはない。
引き締まった体からは、常に鍛えて磨きあげられているかのような強靭さを感じた。
何かスポーツでもしているのかもしれない。
本人の努力もあるのだろうが、恵まれた体躯は羨ましい限りだ。
誰に見られている訳でもないがこのように抱きあげられているのは恥ずかしいなぁ、などと思いながらも、
司祭様に納得してもらえるまで付き合うしかない、と少年は素直にココに身を預けた。
* * *
・・・ようやく小松がしゃべってくれました。あ、名前まだ出てないけど。