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拍手ぱちぱちありがとうございます。
職場の1人が花粉症で既にずびずびいってました。
もう薬2種類飲んでるって!
…そういえば、ちょっと昨日あたり鼻がゆるくなったような・・・
今年の花粉は怖いですね!
目にきたらもうまつ毛エクステ出来ないかも。
※パロ40の冒頭に10行にも満たない追記があります。
41冒頭にしようと思っていたものですが、あれ?こっちのが自然じゃね?と40の方へ移動しました。
切り張りすみません。
ま、見なかったところで大した問題はないです。
「うわわわっ!」
がさがさがさっ
茂みが波打ち、獣が迫る。
ビックリして身体を硬直させる小松を庇うようにココが傍に立った。
獣がいるだろう方向に視線を向けているが戦闘態勢はとっていない。
トリコは一人身構える。
そんな様子を見ながら、ココはポツリと口を開いた。
「小松くんはさっきトリコにどんな罠を仕掛けるのかと聞いたけど、トリコはそんな事をしないよ」
「え?」
冷静に言うココに、じゃあどうやってハントするのかと訪ねる前に目の前に獣が現れた。
「ギュロアァァァアアァァ!!」
「ぎゃあああああー!ビグマぁぁぁぁー!?」
「いよっしゃあーっ!大物ゲットぉ!」
ボグォ!
叫ぶと同時に放たれた一撃は、襲い来た獣を後ろの木まで吹っ飛ばした。
「うそぉっ!?パンチ一発でっ?!」
あり得ない事態に目を見開く。
「アイツは単細胞の筋肉バカだから、罠なんて手の込んだ事はしないんだよ」
「…おい、聞こえてるぞ、ココ」
「聞こえるように言ったんだよ」
ぐるりと肩を回したトリコは肩ならしにもならないと吹っ飛ばされて昏倒した獣に近づいた。
小松は未だパクパクと口を開くが言葉になっていない。
人が武器もなく身体一つで猛獣に勝るとは誰が思おうか。
しかも捕獲レベルは一般人どこころがハンターが束になって叶うレベルも越えている。
あんぐりと口を開けたままココを見れば、呆れたような顔をして肩をすくめていた。
「品がないよね」
いや、そんな問題ではない。
ココが驚かないのが不思議でならない。
古い知り合いだと言うから、何度もトリコのハントを見ているのかもしれないが、これが常識外れだと言うことは小松にだって分かる。
「うるせーな。お前みたいな頭はねーんだよ」
拗ねたように言うトリコは既に肩に獣を担いでいた。
「この調子で後二三匹いくぞ」
あんな大型の猛獣を担いでいながらその足取りに不安は微塵もない。
「…凄い…」
この調子では村の食料庫はすぐいっぱいになるだろう。
むしろ売ればかなりの値段になるに違いない。
貰いすぎなくらいだ。
「あ?なんだ?早くしないと置いてくぞ。むしろココと先に帰ってるか?」
「いえっ!参考には全然なりませんけど、最後までついていきたいです!連れていって下さい!」
腰が抜けそうな程驚いていたくせに、怖気づくでもなくそう告げる。
トリコが背中に担いだビグマを指先で突きながらうわっうわっと意味のない声を上げながら付いていく。
「参考って何の参考だ?」
「あのですねー、今日は会いませんでしたけど、この森の村の近くに倍ソンが巣を作ったらしくて。その時から村人は森に立ち入り禁止なんですよ」
森の深くに立ち入ればそこは猛獣の住処ではあるが、基本的に大型の猛獣は人のいる場所に近寄らない。
人の匂いが強い立て札の辺りまでは安全。
本来なら森の入り口付近であれば襲われる事もないのだ。
だが巣を作ったという目撃証言があるなら話は別。
「お前も村人じゃねーのかよ?」
「今はトリコさんがいるから良いんですっ」
「危機感がないなぁ」
分かってはいたものの、ココは呆れ声で言った。
「ところで倍ソンって…」
お前が料理してココと食ったヤツだろう?と言う前に遮られた。
「ああ、小松君はそれでトリコのハントに付いてこうと思ったんだね。あわよくばトリコが倍ソンを捕まえちゃったらそれに越したことはないもんね?」
ココは小松に言っていないらしい。
自分が調理した時点で気付いても良さそうなものだが、小松が見た倍ソンの肉は既に処理され、乾燥状態で保存されている一部だけだったのだ。
ココをハンターと知らない小松が気づかないのも無理はない。
「や、そこまでは考えてませんでしたけど、罠とか教えて貰えるなら、倍ソンにはもう少し離れた場所に巣を作って貰って村から遠ざけてしまえば、森への出入り禁止がなくなるかなって…」
そう簡単な罠で捕まえられる程度の猛獣であれば、捕獲レベルなど付かないだろう。
それにその森が吸血鬼がいたという事実は棚上げだ。
吸血鬼の城はないから通りすがりかもしれないが、それにしたって猛獣云々のレベルではない危機と言う事に気づいているのかいないのか。
実際の被害者の癖に、そちらより食材豊富な森へ入れない事の方が小松には問題らしい。
「残念だったね」
「いえ!でも生のハントを目の前で見たかったって言うのも本当ですから!予想以上です、本当!」
ウキウキしながら言われれば、トリコも悪い気はしない。
「今日いたら捕獲してやるよ」
「ふぇ~・・・」
やすやすと請け負ってくれるトリコに感心したような声しか出せなかった。
ビグマを捕えられるトリコにとって、倍ソンなど怒らせなければ朝飯前なのだろう。
別に怒らせたところでどうという事もないのだが、小松は知らなくても良い事だ。
ココから聞いていた通り、確かに森は入り組んでいた。
最初こそ自ら森の奥深くに入り込んだが、途中から磁場が狂っているのだろうか。
森の奥に分け入ろうとしてふと気付くと村の近くに戻ってきてしまったり、戻ろうとしては森の奥へ足を踏み入れたりしてしまう。
それでも順調に何匹か猛獣を捕獲する事は出来た。
食材が豊富なこの森は、猛獣も多い。
目的を定めなくても食材に出会えるのは僥倖だ。
森の奥に入っていってしばらく。
ぴくっ
何かを感じたのかトリコとココの二人は同時に顔を上げた。
トリコは鼻を、ココは目を周囲に向ける。
やがて…向いたのは同じ方向だった。
言葉少なに歩きだす。
先程までの道楽気分は消えていた。