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マスカラくらいつけろよ、女なんだから。
と職場の人から言われました。
えー。
ニキビ隠したくてファンデーションは付けるけど、眉毛も自眉毛のまま伸ばし放題の私にそのような事を言われても・・・
だったら付け睫毛とかの方が楽なのかなー。
という事でココが仕上がりめっちゃ綺麗だよ!と勧められた場所でエクステしてきます。
化粧落としても化粧してるみたいだから!と言われたものの、元々が化粧してるかしてないか分からない顔なので、目だけが大きくなった感じで違和感ばりばりになるんじゃなかろーか。
・・・どうでも良いけど、”ココがめっちゃ綺麗”とか言われると”そうだよ!当然だよ!”と返したくなるのを日々ぐっと耐えています。
ココは美人推奨。
サニーは可愛い。美人とは違うかなー。
ちょっと鬱展開なので大人向けって事で一つ。
怖かったんです。
本当に、怖かった。
雲の上にへたり込んだボクは、しばらくの間立つ事も出来なかった。
恐怖の中に見た、前世までの走馬灯。
「前世何だったんだよ!?」
とのトリコさんのツッコミにボクは答える事が出来なかった。
聞いてきたのが、トリコさんだからこそ答える事が出来なかった。
例えばボクの前世が虫とか羊とかで、他の昆虫や動物に食べられるだけの存在だったならどれ程良かっただろう。
残念な事にボクは前世も人間だった。
とっても醜い人間だった。
雷鳴がフラッシュバックのように僕の脳裏に前世を描く。
白衣を着た自分。
嫌がる子供を押さえつけ、腕に薬液を注入する自分。
見えるのは、自分だけじゃない。
悶え苦しむ子供。
言葉も紡げない程理性を崩壊させてしまった子供。
与えられる恐怖に髪が真っ白になってしまった子供。
目を瞑りたくなるような光景だが、脳裏に閃くそのシーンは実際目で見ているものじゃない。
ぎゅっと硬く目を瞑っても、それをあざ笑うかのように残酷なシーンを脳裏に焼き付けていく。
泣き叫ぶ子供に白衣を引っ張られた。
バシン。
考え事の邪魔になるその手をたたき落とす。
「う~ん、もう少し配分を変えた方が良いのかなぁ・・・?」
ビクリ。
周りの子供たちの身体が震えるのに気付かない自分。
再度行われる実験。
聞こえる叫び。
「失敗?いやいや、きっとここをもっとこうすれば・・・」
カルテやデータとの照合。
薬品の抽出。
嘔吐したい程の事実はボクがその実験を真剣に、かつ楽しんでやっていた事だ。
酷い結果ばかりを生み出す実験の数々は、失敗作を作っても尚試行錯誤してセンチュリースープを作った今のボクにそっくりで。
研究が(料理が)楽しい。
研究は(料理は)面白い。
研究は(料理は)実りがある。
成し遂げるための数々の犠牲。
時間、体力、実験体(食材)
「なんで・・・何でこんな事すんだよ!?」
「俺達がこんなっ・・・こんな苦しい目に合わなきゃいけない何をしたってんだ!?」
泣き叫ぶ子供たちをガラス越しに眺める。
「大丈夫だよ?ボクが必ず実りある成果を出してあげるから」
そう答えた自分の言葉の何がその子達の救いになっただろうか?
うめき声。
悲鳴。
嗚咽。
ガラス板の向こうの子供たちは次第に声を発せず動かなくなっていく。
しかし動かなくなった実験体に感ける時間はない。
「途中から作ろうとするのが問題だったのかな?じゃあゼロから作り出せば・・・」
自分の目は既に新たな試みに向いている。
雷鳴が走る度のフラッシュバック。
そう簡単には忘れられない恐怖体験だった。
見た目が齢80と言われたが、そうなるのも仕方ない。
けれどそんな中、恐怖で身体が震えている中で聞こえたトリコさんの声が、たった一つのボクの救い。
老化を止める事は出来なかったけど、トリコさんが僕を現実に引き戻してくれた。
アレは今の自分じゃない。
今は嵐の中、トリコさんの背中という大船に乗っている。
ここにはトリコさんとボクの二人きり。
誰を傷つける事もない。
今はトリコさんにしがみついているのが精いっぱい。
弱い事に安心しているボクがいた。
本当は、そんな事じゃ駄目だって分かっているつもりなのだけど。
今だけは、頼りっぱなしのボクで居たかった。