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もうすぐ夏コミですね!
最近熱いので体力温存しとかないと、会場で倒れそうです。
倒れるのは構わない!!
けど、全て買い物終えてから倒れたい!
移動の途中で倒れるとか心残りがある夏になったら、翌週のお泊りの予定を断って大阪に飛ぶかもしれない!
翌々週の自分から提案した食事会を断ってシティに行くかもしれない!
最近遊び過ぎてお金が足りないです。はう。
でも夏コミはケチる気ありませんよ!
とりあえずお友達が泊まりに来るのでしっかり片づけて、一日目はスペースで大人しく座っていようと思います。
その日、村の様子が違った。
ココにとってはいつもと変わらない朝。
同居人にも特に変わった様子は見られない。
ただ村全体が浮き足立ったような感じがする。
「今日はお祭りか何かあるのかい?」
朝食の時にココは問いかけた。
催事に関して教会が関わる事ならココにも伝わるはずだが、そんな事は聞いていない。
「へ?お祭り…ですか?」
聞かれた小松も不思議そうに首を捻るのでそうではないらしい。
「じゃあ気のせいなのかな…?なんだか昨日から村の皆がそわそわしているような気がして…」
自分の感覚を告げると小松は慌ててキョロキョロしはじめた。
「ココさんっ!今日って何日でしたっけ?!」
どうやら思い当たる事があるらしい。
「春珠の月の三順目の金曜日だから・・・」
答えてやると、小松はぱっと顔を輝かせた。
「やっぱり!すっかり忘れてました。今日は月に一度行商人が来る日です。
村の生活必需品は勿論、綺麗な布や装飾品、珍しい調味料なんかもあるので楽しいですよ!
お昼ごろに中央の広場に行けば市も開いてると思います」
「へぇ…面白そうだね。小松くん、一緒に行ってみない?」
「はいっ!」
嬉しそうに応じる小松を見ていると、何か買ってやろうと思う。
小松は調味料の話をする時に一番弾んだ声を出したが、小松の料理は殆どココの口の中に入るのだから食材以外のものも良い。
装飾品の類を付けているのを見たことはないので興味がないのだろうか?
使ってみたい食材や調理器具は勿論、売っていれば服も良いかもしれない。
「じゃあ小松くん」
「はい!」
「ご飯にしようか」
そう言ってココは両手を広げた。
「…ついさっき朝食食べましたよね?今ココさんの目の前にあるのは食後のお茶だと思うんですが」
ぺたりと手のひらを額に当ててくる小松に少し気分を害する。
本気で心配している様子なのだが、それがかえってボケていると勘違いされているようにしか思えない。
「そうじゃなくて小松くんの食事だよ。お昼に出かけるんだろう?それとも腰が抜けたまま僕に抱えられて歩きたいの?僕はそれでも構わないよ、お姫様?」
額にあてられた手を取り、その甲に唇を落とす。
それはまるで姫に仕える騎士さながらだ。
そこまで言われて漸く気付いたようだ。
ボッと顔を赤らめた小松は慌てて自分の手を胸元に引き寄せた。
どう考えても小松は姫なんて柄じゃない。
柄じゃないのにお姫様だっこで歩くなんて言われ、こんな事をされれば、まるで自分が本当に一国の姫にでもなったかのようだ。
冗談にも程がある!
「ぼっ、ボクは構いますっ!」
「じゃあ部屋に戻ろうか」
しれっとココは先ほどの事などなかったかのように立ち上がる。
なんとなくいつもしているのがココが寝ているリクライニングチェアかベッドになっているので今回もその流れなのだろう。
「ココさんは先に戻ってて下さいっ!」
「え、でも…」
小松の食事なのに小松がいなければ意味がない。
提供するココ側に準備は必要ないのだから。
「ボクは洗い物終えたら行きますからっ!」
「なら一緒にやっちゃった方が早い…」
「行・き・ま・す・か・ら・待っ・て・て・下・さ・いっ!」
ココの言葉を聞かず、小松はぐいぐいココの背を押してダイニングキッチンから追い出した。
バタン!と勢い良く扉を閉める。
空間に一人きりになり小松はへなへなと扉に寄りかかった。
なんなんだ、あの心臓に悪い神父はっ!
もう顔どころか耳や首筋まで真っ赤になっているだろう。
ココの背に顔をつけるようにしていたから、バレてないと良いけれど。
「…はぁ…」
洗い物をする間には冷静に戻れそうにない小松だった。
「へぇ。結構多いね」
小松と共に市に来たココは広場を見て呟いた。
旅商人と言っても様々だが、今回は10以上が露店を広げたり荷馬車を露店がわりにして商売をしている。
結構大規模なグループなのだろう。
村人も期待しているのか広場にかなりの人数が集まっている。
「…ん?」
先程の言葉が呟きになってしまったのは返答がないからだ。
ふと見下ろしても小松の姿が見当たらない。
「小松くん?」
大きめの声で名を呼ぶと、しばらくして返事があった。
「こっちですココさぁ~ん」
どうやら随分と人ごみに流されてしまったらしい。
声はすれども姿は見えず。
ココは声のした方に向かって歩きだした。
「すみません、通して下さい」
人ごみを掻き分ける。
「小松くん、いるかい?」
「います~」
漸く視界にぴょこぴょこ跳ねる手が見えた。
そこに向かって一直線に歩き、その手を掴む。
「駄目じゃないか、離れたりしたら」
「うぅっすみません…でもわざとじゃないんですよ」
ココに手を捕まれて人ごみを抜けた小松が言う。
寧ろ小松はココのせいでもあると言いたい。
ただでさえ人が集まっている広場にココが現れればどうなるか。
ココは意図的に黄色い声を耳に入れないようにしているようだが、明らかにココの周りだけ人口密度が高い。
小松も押し流されようと言うものだ。
「まぁそれは分かってるけどね。じゃあはぐれないよう手を繋いで歩こうか」
ココは小松の手をとったまま歩きだそうとしたので、小松は慌てて抵抗した。
「えーっ!?ボクもう子供じゃないですよっ!」
手を繋いで歩かねばならない年でもないし、ただでさえ普段からココと仲が良いのを羨ましがられているので、皆の前でそんな風に歩くなんて、羞恥以上に嫉妬の目に曝される恐怖の方が強い。
「そうかい?じゃあ次離れたらちゃんと手を繋ぐ事。良いね?」
それが分かった訳ではなかろうが、ココはすぐ譲歩してくれた。
「もうっ…分かりましたよ。心配性だなぁ、ココさんは」
離れた所で村の中で迷子になる訳ではないのだが、ココが引いてくれたので小松も了承しておく。
十分後。
手を繋いで歩くココと小松の姿があった。