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トリコマ週間は終了いたしました。
全然ココ離れ出来てなかったけどね!
とりあえずパロの続きを書きながら、リクエストに答える為になけなしの知恵を絞ろうかと思います。
目指せ、無駄に色気ムンムンの格好良いココでエロココマ!
一応、名言することで自分を追い込んでみた!
・・・・・努力目標で構わないかな?(弱気)
本日はいつも帰り途で人が並んでいるから気になってたラーメン屋でラーメンを食べてきました!
職場の人に聞くと、評価はパッツンと二分。
そこそこ美味しいけれど、こってりしていたスープは女性にはイマイチなのかも・・・?
焼き豚とねぎが美味しかったです!
魚介スープってかカツオの主張が強かったなぁ。
しばらくして小松から声がかかった。
「ココさぁーん!ごはん、出来ましたよ!」
ふと顔を上げると、四半刻が過ぎている。
考え事をしていると、時が過ぎるのが早い。
「今行くよ」
ココは手にした容器を懐に仕舞って立ち上がった。
「やぁ、美味しそうな匂いだね」
部屋に入る前から良い匂いがしているとは思ったが、ダイニングに入った途端、香りは更に強くなった。
小松の様子を見ても、特に困った事にはならなかったようだ。
「ありがとうございます。お口に合うと良いんですけど・・・」
用意されていたのは、ストロガノフだった。
あり合わせの野菜と食いでがある肉を使った結果だろう。
そして少ししつこいかもしれないと思ったのか、スープはあっさりコンソメで作られていた。
スープは灰汁が浮いている事もなく透き通っていて、中に入った野菜も選んでいるのか、発色のバランスが良い。
ストロガノフは肉のサイズに合わせたのか、ゴロゴロと大きめの野菜を使っている。
時計を確認する。
小松が料理を始めてから声がかけられるまでの間は半刻にも満たない。
そこから考えられるココの出した結論は------硬い。
当然だった。
いや、もちろん野菜はそれなりに火が通っているだろう。
実際コンソメスープは美味しそうに出来あがっている。
細かい野菜は短時間でも火が通せるのでスープの方は問題ないだろう。
煮込み始めが早ければ、ストロガノフの方の野菜だって煮えているかもしれない。
もし多少生煮えであったとしても、シャキシャキとした食感とともに食べられるレベルではあるだろう。
問題は肉の方だ。
一週間近く干してあった乾燥した肉だ。
その肉の処理をして、たった半刻で煮込み料理が出来る筈がない。
つまりは干し肉をそのまま切って煮込んだのだろう、と考えられるが、硬い肉をこのような大きなサイズに切っては噛みちぎるのも一苦労ではないかと思われる。
包丁を入れた時に分かりそうなものではあるが・・・流石に子供にそこまで求めるのは酷かもしれない。
初めて使う肉だし、まぁ当然の結果ではある。
全て任せたのは自分なのだし、次からは教えれば良い話だろう。
料理は出来るようなので、最初にどうして教えておかなかったか、と後悔こそ多少あれ、せっかくなので食べてみようと決める。
思った事はおくびにも出さず、ココは用意された席についた。
「ところで、小松くんの分は?」
同じように席についた小松に尋ねる。
ストロガノフとスープが置かれたのはココの前だけで、小松の前には白い皿が一枚、置かれているだけだ。
「あ、僕はパンを頂きますので・・・それに、作る時に味見しちゃったし」
テーブルの真ん中には今朝ココが焼いたパンがある。
小松はそれを神の肉として扱うよりも少し厚手に切り、トースターに入れた。
バターとジャムを用意して、小松の分はそれで終わりのようだ。
ただ、他人が作った料理に興味があっただけかもしれない。
ココとの話でパンを食べる事にはしたものの、やはり腹自体は空いていないのか。
「そう・・・」
人間とほとんど変わらない小松の、非人間的な部分を垣間見て少し残念な気分になる。
ちゃんと分かっていながら、今更何を期待していたのやら。
「僕も食べますから、ココさんもどうぞ!」
笑顔の下には、緊張感が見える。
これ以上自分に気を使わせたくはないので、ココは小松の作ってくれた料理に手を付けた。
軽くトーストしたパンを一口大にちぎって食べる。
バターやジャムを出したのはココの為だったらしい。
小松は何もつけずに味わっていた。
「ん!美味しいです!こんなに美味しいパンを最初に口にするのがボクだなんて、何だか村の皆に悪いですね」
例えお金を払ってでもココの手作りのパンを食べたかった女性も少なくないに違いない。
来週からはココのパンが味わえるとは言え、一足先に頂く事になった小松は、皆の事を思うと少し気が引ける。
しかし、強いし容姿端麗、多少毒舌とは言え面倒見が良く結局は優しくて、家事全般もお手の物。
完璧すぎる程完璧な神父がモテない訳はない。
改めてそう思う。
食事の時ですら、ココは見ているものがうっとりしそうな程上品に食事を・・・
「・・・あれ?ココさん・・・?」
ココはスプーンを持ったまま絶句していた。
「ココさーん?」
固まったまま動かないココの視界に入るような位置でブンブンと手を振り回す。
「あ・・・」
ふと我に返り、顔を上げると、不思議そうな顔をした小松と目が合った。
「何か苦手な野菜が入ってました?」
心配そうに覗きこまれる。
一人で食事をするのに、そもそも自分の苦手なものを買い求めたりはしないだろう。
「いや…」
言葉少なに答え、ココは手元に目線を落とす。
美味しそうな匂いだね、とは確かに言った。
そして見た目も美しいスープではあった。
だが、この味まではココの予想外だった。
ただのコンソメスープ。
その筈だったのに。
あっさりとした中に凝縮される、あまりに深い味わい。
おそらく出汁に工夫が加えてある。
それが何かまでは分からなかったが。
ココは言葉少なにもう一品にも手を付けた。
野菜にスプーンを立てると、ホロっ・・・と崩れる。
サワークリームの利いたソースと合わせて口に運ぶと、柔らかく煮込まれた野菜と適度に効いた酸味が口の中に広がる。
しかし最もココが驚いいたのは、やはり肉だ。
大ぶりなそれを噛むと、じゅわっと肉汁が口のなかに溢れた。
小松が使ったのは、保存用にと取っておいた硬い干し肉ではなかったか。
確かに歯ごたえはある。
しかし決して干し肉のそれではない。
あれ?バラ肉を買っていたっけ?
そんな疑問すら思い浮かんだ。
しかし確かにココが味わっているのは、倍ソンの肉だ。
少し癖のあるそれを、見事に調理している。
柔らかく、噛み締める度に味が染みだし、飲み込むまで決して飽きない。
いや、むしろもっと食べたくなる。
初めて扱う肉?
ものの四半刻で作った料理?
嘘だろう?
「・・・あり得ないっ!!」
「ご、ごめんなさいっ・・・!」
厳しい顔で言い放つココに、小松は思わず謝った。
何かまずかっただろうか?
いや、そもそも味が不味かったのか。
調理の仕方によって、もっと美味しく出来たかもしれない。
せっかくの肉を生かしきれなくて怒ってしまったのか。
不安のあまりココを伺うが、肝心のココは何も答えず、次々と料理を口に運んでいるだけだ。
ココの笑顔が見たくて作った料理は、残念ながらココを笑顔になど出来なかったようだ。
自分の腕の未熟さに泣きたくなってしまう。
普段ではお目にかかれない肉に興奮して、自分だけが楽しく作ってしまった。
自分だけが楽しくても、食べてくれる肝心のココを笑顔に出来なければ意味がないのに。
作り手として、一番大事な事を忘れてはいけなかったのに!
難しい顔をしながらも料理を口に運んでくれるココに、逆に申し訳なさが先立ってしまう。
本当は不味かったらもう食べないで下さいと言うべきなのだろうが、食材を無駄にしない為か、無言で食事を続けるココになんと声をかければ良いのか分からず戸惑う。
「ふぅっ・・・ごちそうさま」
オロオロと落ち着かない気持ちで見守っていた小松を尻目に、結局ココは全てを平らげてしまった。
「お粗末さまでした・・・」
小松はもう居たたまれない気持ちでいっぱいだ。
料理をしていた時が嘘のようにしょぼんとしてしまう。
それでも厚かましくも聞いてしまったのは、条件反射のようなものだ。
「あの、どうだったでしょう・・・?」
一応食べてくれたのだから、食べるに値しないというまで最悪な状態ではなかったと思いたい。
けれど、”あり得ない”との発言を受けたからには、かなりの苦言も覚悟しておかないと。
もう二度と作らせてもらえないかもしれないのに、こんな事を聞くのはおかしい。
ココのアドバイスを受けて、もう一度やり直させてもらえないだろうか、なんておこがましいことこの上ない。
それでも小松は料理が好きで、より美味しく作りたいと思うのはもう本能のようなものなのだ。
言ってしまってから気付いて、小松は緊張でじっとりと手のひらに汗を滲ませた。
もう緊張で手はぶるぶると震えてしまっている。
「美味しかったよ」
さらりと伝えたココに、小松は泣きそうに顔を歪めた。
「しょ、正直に言って下さって構いませんからっ!」
「??」
正直に伝えたつもりなのだが、伝わらなかったのだろうか?
ココは出された料理を味わうのに懸命になるあまり、小松を見ていなかった。
ミサの時より・・・下手をすると隣室にいた時以上に小松を認識出来ていなかったかもしれない。
それくらい目の前の料理を味わうのに夢中になってしまっていた。
「・・・まだ余ってるのはあるかな?」
「・・・ええと、スープならまだ少し・・・」
問われるまま、キッチンを振り返りながら言う。
「そう。なら、それも貰っても構わないかな?」
「か、構いませんけど、ココさん・・・」
不安でいっぱいの目でココを見つめる。
「バランスは悪いけど、本当に美味しかったからおかわりが欲しいんだ。駄目かい?」
「だ、大丈夫ですっ!」
小松はココが平らげた皿を持つと、慌ててキッチンに戻った。
どうやらスープは及第点くらいは貰えるようだ。
ということは駄目だったのはストロガノフの方か。
バランス・・・スパイスの配合だろうか?
それともやはり肉の方か・・・
「へぇ、キッチンも綺麗に使ってくれたようだね」
「うひゃっ!」
思わず皿を取り落としそうになるくらい飛び上がる。
考え込む小松は、すぐ傍にココが来たのにも気づいてなかった。
「す、すみません!今よそいますのでっ!」
「あー・・・本当にもうないんだ・・・」
小松がよそうスープの鍋とは違う、隣の鍋を覗きこんで、ココはがっかりしたように肩を落とす。
ぽかん、と小松はそんなココを見るしかなかった。
「なんだかココさん、食いしんぼうみたいです・・・」
まさか、そんな事の為に追いかけてきたのだろうか?
「だって美味しかったんだもの。もっと食べたいと思うのは道理だろう?」
さらりと何でもない事のようにココは言い切った。
「・・・本当に美味しかったんですか?」
にわかには信じられず、気を使っているのではないかと疑ってしまう。
「もちろん。けど、渡した肉はもう少しあったと思ったんだけどなぁ・・・」
「あ・・・貴重な食材ですし、全部使うのはもったいないと思って・・・」
おずおずと残った調理してない肉をココに渡す。
渡された肉は減っているが、その手が伝える感触はやはり硬い。
小松は、最初から貴重な肉を全て使い切ってやろうなんて思ってなかったのだ。
「そんなの、まだあるから構わないのに」
あっさりとそう言い放ち、むしろどうして全ての食材を使い切らなかったのか、とでも言いたそうだ。
「あの・・・何度も聞くようですけど、本当に美味しかったんですか?」
「何度も言うようだけど、本当に美味しかったよ」
でも、笑顔じゃなかった。
それに・・・
「バランスが悪いって・・・」
「あぁ、あれ。あれは僕のパンに合わせて君が料理を作ってくれたと思ったから」
「はい、そのつもりでしたけど」
「ものすごく裏切られたけどね」
「すっすみませんっ!」
「おかげで僕は自分の作ったパンなんかに手をつける気になれなかったんだ」
そう言えば、ココは小松の料理は食べてくれたが、パンには一切手をつけていない。
作り過ぎたパンを腐らせない為に小松も食事に誘ってくれた筈なのに、小松しかパンを食べてなければあまり意味がない。
小松は美味しいと言ってくれたが、ココの作ったパンなど小松の料理に比べれば児戯に等しい。
儀礼的に使う、何の変哲もないパンだ。
パンに合う料理として作ったものかもしれないが、明らかにバランスが取れていない。
味のレベルが違いすぎる。
だが、パンも小松が作ったら?
多めに作っていたあの量のパンであったとしても、残ったソースをしみこませて、全て平らげられるだろう。
「そっかぁ・・・美味しかったんだ・・・・」
さっきまで凄く不安だった。
それが覆され、じわじわと小松の心に喜びが広がっていく。
「うん。こんなに美味しいと思ったのは久しぶりだ。ありがとう」
ぼっ!
ココが答えた瞬間、小松は血液が沸騰したように一気に頬を染めた。
「?」
村人としてのくくりで言えば、ココにはひどく有り触れた反応だったので、特に頓着しない。
だが、小松は数日ぶりに見たのだ。
ココの笑顔を。
初めて食事を共にした時の事を思い出させる。
あの時、ココはひどく優しく笑ってくれていた。
彼が笑ってくれると、自分も幸せで。
この時間がずっと続くと良いなぁ、と心の底からそう思っていた。
物腰柔らかく優しいココだが、小松が見る限り、ココは決して今のようには笑っていなかった。
小松と居る時などは特に笑顔など見せない。
まぁ、自分たちの関係からすれば、当然の事かもしれないが。
優しい言葉をかけてくれる事や、自分を心配して諌める言葉をかけてくれる事もある。
その時のココの口元は弧を描く事もある。
時には不安な自分を安心させる為に笑顔を作ることも。
だがずっと傍で見ていて分かったのだ。
小松にはココを見る以外、する事などなかったから。
そして何より、最初に笑っていたココを知っているから。
このところのココはずっと、笑顔を”作って”いた。
ココが小松に接するのは、神父として必要だから。
ココのそれは、司祭としての顔なのだと。
だから必要なものだと思って、何も言わなかった。
司祭としての顔も必要。
村人がココ個人ではなく、司祭としてのココを必要としていれば、自分のような者がずっと傍にいれば、笑う事も出来ない。
そんなのは当然だと思っていた。
だが、いつか本当に心から笑ってくれると良い。
常々そう感じていた。
それには自分がいなくなる事が一番なのだろうけど、彼は優しいので自分から捨てる事もなさそうだ。
そして小松はまだ自ら命を絶つような勇気は持てなかった。
もちろん、自分が本能のままに誰かを襲うなんて事をやらかした日には、ココの手を借りず死ぬつもりではあるのだが。
まさか、こんな風になってしまった自分にまた笑いかけてくれる事があるなんて!
「こちらこそ食べてもらってありがとうございました」
そう答えた小松も、数日ぶりに心からの笑顔を見せていた。
すっかり食べつくしてしまった後、小松は洗い物もさせてもらった。
ただ寝ているだけじゃなく、自分がやれることがある。
身体を動かして良いという事がこんなに嬉しいと思う時がくるとは思ってないかった。
しかし、小松にはそれ以上嬉しい事がある。
「そっかぁ…美味しかったかぁ…」
言われた言葉を思い出してはへらへらと笑う。
何より小松の頬を緩めさせるのは、美味しいと言ってくれた時のココの笑顔だ。
ココが自分に笑ってくれた。
それだけの事が酷く嬉しい。
「…かい?」
「あっはいっ!」
思い出し笑いを繰り返すあまり、ココが話し掛けてくるのに気付かなかった。
「じゃあ楽しみにしてるね」
ここ数日の硬い表情はなんだったのかと言うくらい笑顔の大安売りだ。
ただでさえ造形の整ったココがそんな事をすると、正視できなくなってしまう。
…とそんな事を思っている場合ではない。
話しを聞いてなかったのに、返事をしたことになっている。
いや。
でもこの流れから言えば、きっと言われた言葉は小松の予想で間違いないはず。
何しろ小松が出来ることなど、その一つしかないのだから。
「明日はココさんのパンでサンドウィッチを作って良いですか?」
「勿論。お願いするよ」
「はいっ!」
予想どおりとは言え、嬉しい返答に小松は明日が楽しみで仕方ない。
今夜はちゃんと眠れるだろうか、と少し不安になったくらいだ。
その晩、ココは初めて小松を縛らなかった。