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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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拍手ぱちぱちありがとうございます。

4日のお話なのですが。
小松限定のタイツ専用モデルという言葉に、ご飯吹きそうになりました。
ちょ、私タイツ専用モデルとか言ってないんだからね!
レギンスだって良いじゃない!

・・・・痛い・・・!痛すぎる・・・・!(←ちょっと想像した)
格好良いココどこ行った!?

以下はパロの続きです。
一応、このサイトは格好良いココ推し!です、はい。


 

バチッ
今までの寝起きがなんだったのかと思うくらい、小松は早朝にパッチリ目を覚ました。
だってする事がある。
既に昨夜の内にココの了承も取ってあるので、後ろめたく思う事もない。

ベッドから這い出して、視線を巡らせる。
ココはいつものチェアに座り、ひじ掛けに肘をついて目を閉じていた。
小松があまりに早く起きてしまった為、ココの方はまだ目覚めていないようだった。

すぐにでもキッチンに向かいたいところだが、ココが寝ている間に小松が消えたら困るだろうか?
起こしてから行くべきか。
しかし今まで見たことのないココの寝顔を見て、静かに眠る邪魔をしても悪いと思い直す。
小松はココに近寄ると、少しズレてしまっていた毛布を掛けなおした。
すぐ傍にあるテーブルに自分がキッチンにいるとのメモを残し、出来るだけ静かにキッチンへ向かう。

パタン、と僅かな音にココはそっと片目を開ける。
小松は気付かなかったようだが、当然ココは起きていた。
いつものように散歩に出なかったのは、夜に初めてベッドと繋がなかった小松を警戒しての事。
浅い眠りはあったが、起きて近づいてこられて目が覚めぬ訳がない。
警戒心が強い性格であることは承知している。

今まで多少でも与えていた小松の自由度は、実は全てココが無理せず対処出来る範囲内での自由。
厳密に言えば常にココの意識が届いているので、全く自由ではない。
恥ずかしい話ではあるが、注意が行き届かなかったのは小松がすぐ横にいた、昨夜食事をしていた時だけだ。

視線を落とせば、丁寧に掛けなおされた毛布。
脇のテーブルを見れば、習字でもしていたのかと思うくらい丁寧な文字がしたためられている。
近くにある知った気配なら追えるココには無用のものだ。

「全く…こんな事をされたら明日からまた縛り付けるなんて出来ないじゃないか…」
一人ごちたココの顔は、しかめ面とはほど遠かった。

 

コンコン、と律儀にノックをしてから小松がドアを開けた。
「おはようございます…」
起こすつもりだっただろうに、出されたのは囁き声だ。

「おはよう、小松くん」
既にすっかり身支度を整えたココが振り向けば。
「ご飯、出来ましたよ!」
そう笑顔が返ってきた。

 

 朝食にと作られたサンドウィッチも美味しかった。
小松がパンから作ったならもっと美味しかったかもしれないが、それでもいつも以上に食べてしまったくらいだ。
小松も一緒にサンドウィッチを食べていた。
この調子であれば、腐らせずに済みそうだ。

伺うようにこちらを見ている小松に伝えれば、嬉しそうに相好を崩す。
しかし、ただ喜んでいるだけではなさそうだ。

「…何かな?」
尋ねればビクッと肩を震わせた。
「い、いえっ…あの…あ、あれっ。あれは神の血ですか?」
視線を彷徨わせた小松が指差したのは、確かに昨日使う予定だった筈の赤ワインだ。

「そうだけど…はい、小松君にはこっち」
まさか子供にアルコールを飲ませる訳にいかない。
別に次の週までとっておいて痛むものでもない。
ココはグラスに野菜ジュースを注いで小松に差し出した。
「ありがとうございます…」
素直に受け取ったものの口はつけず、考え込むように俯く。

明らかに迷っている様子に、ココは自ら水を向けた。
「で、本当は何を聞きたかったの?」

「いえ、ただお昼に使いたいものがあったんですが、ここにはないのでちょっと買い物とか行きたいなーと…駄目…ですよね?」
言っている途中でココの表情が硬くなったのが分かったのだろう。
流石に昨日の今日で小松を外にやる訳にはいかない。

「買い物ならリストアップしてくれればボクが行ってくるよ。」
「はい、お願いします。とりあえず・・・」
小松もココの態度が軟化しているとは言え、流石に自分が外に行くのは無理だとは分かっていたのだろう。
欲しいものをメモして、ココに手渡す。
「・・・うん、お昼までには揃えておくよ」
リストを見てココは請け負ってくれた。

「それで、その・・・」
「食材の他に欲しいものがあるんだね?」
ココは小松の飲み込んだ、言いたかった言葉をちゃんと理解してくれる。

伺い見たココの顔に否定の色を見つけられず、小松は申し訳ないと思いながらも自分の要求を重ねた。
「ボクの両親の形見なんですけど、お世話になってる宿屋に置かせてもらってるものなんです。どうしても、手元に欲しくて・・・」

小松にはまだしばらくはここに居てもらわなくてはならない。
「それはご主人に言えば分かるものかな?」
「はい。ボクが一番大事にしてるものですから」

小松なりに覚悟があるようだ、とはココも承知している。
今すぐ手を下すつもりはないにしても、今後も何が起こるか分からない。
そう思えば一番大事にしている形見を傍に置いておきたいという気持ちも分かる。

「分かった。買い物帰りに宿屋に寄るよ」
「ありがとうございますっ!」

それが一番の心配ごとだったのだろう。
今度こそ心からの笑顔を見せた小松は、憂いも無くなったとばかりにようやくココが渡したジュースを飲み干した。

「…んん…?」
いや、勢いよくグラスを傾けたものの、ほぼ口を湿らせた程度で飲むのを辞める。
少しだけ口に含んだそれをじっくり吟味しているようだ。

ココは内心舌打ちしたいくらいだった。
いくらはしゃいでいるとは言え、こんな料理のセンスを持っている者の舌を誤魔化すなんて土台無理だったのかもしれない。
けれど、気づかずに飲んでくれれば当面は問題なかったのに。

癖の強いものを意図的に選択して絞った野菜ジュースは、実際あまり美味しいと感じるものではないだろう。
それを嫌がらずにじっくり味わって更に違和感を訴える舌に、味を反芻しながら中身を分析する。

青臭い野菜に含まれた鉄分の臭いに気付いた小松はさっと顔を強ばらせると、シンクに駆け寄り自分の口に指を突っ込みだした。
トイレや洗面台に行く時間すら惜しかったのだろう。
うえーとかげぇーっとか言いながらえづいてはいるのだが、いかんせん飲み込んだものは吐き出せない。

「辞めるんだ、小松くん」
ココはなおも喉の奥へ奥へと入れられようとする指を掴んで引き出した。

「えぐっ…ひっ、酷い、ですっ…」
ココに抵抗を封じられてしまえば、小松には逃れられない。
えづく事も出来ず、ただ悔しそうに唇を噛み締めるだけだ。

騙し討ちのような事をしたのはココも認めるところではあるのだが。
「君こそ分かってるのかい?昨日の夜から随分顔色が悪い。栄養を取らないといけないんだ」
昨夜は病み上がりという可能性も考慮して少し時間を置いたが、笑顔になど騙されない。
小松の顔は昨夜から随分と血の気が失せていた。

おそらく昨日の毒草のせいだろう。
解熱や解毒に無意識にかなりの力を使ったに違いない。
多大な回復力は毒草を塗った筈の手の傷まで治したが、体力の消耗は変わっていない。
いや、身体の消耗を速めただけだ。

力を使えば腹が減るのは当然。
例えあまり動かなかったとしてもいずれは来る未来が、少し早まったに過ぎない。

「嫌ですっ!僕はお腹は減ってませんっ」
なのに小松は意地を張る。
「我慢すれば辛いだけだ」
「そんなの、飲むほうが辛いですっ…!」

「っ!」
ココは小松の腕を引きずってダイニングに戻り、テーブルに置かれたままのグラスを小松の目の前に突き付けた。
「飲むんだ!君にはこれが必要だ!」
「必要ないものですっ!」
「別にこれは無理矢理得たものじゃない。今我慢して誰かを襲ってからの方が余程辛いんだっ!」
「…襲いませんっ!」
一瞬、ココの気迫に息を呑んだものの、小松は尚否定する。

「それに襲いたくなったって傍にいるのがココさんなら平気ですっ」
ココなら小松を止められる。
確かにそうかもしれない。
しかしそれは、二人きりの場合のみ。
己に向かってくると分かっている場合だけだ。

 

------どうして…!どうしてあの時に俺を殺してくれなかった…!?
あの時殺してくれれば、妻は生きていてくれたのに!腹にいる子供を産んで、命を繋いでいけたのに!
あぁ、分かっているさ・・・逆恨みだなんて!
俺が・・・俺が妻を殺したんだ・・・・!!!

 

聞き分けのない小松に、封じた筈の嫌な記憶が甦る。
これでは前と同じ轍を踏むかもしれない。
「…言っていなかったけれど、昨日君が熱を出しているとき、村長が見舞いに来てたんだ」
「…」
「次に君が寝て目覚めて見る光景は、干からびて動かなくなった村長かもしれない」

腹が減って理性すら失っている時に餌として求めるのは、より早く手軽に得やすい血液だろう。
小松がココを襲うにはあまりにリスクが高すぎる。
二人きりでないならば、ココではない村人を本能的に狙うだろう。
そして村人は一人ではない。
ココ一人で村人全員を守る事など不可能なのだ。

「そんな事っ!」
「それくらい、強力なんだ。理性なんて吹き飛ばしてしまう・・・強烈な血への渇望。数いるモンスターの中でも吸血鬼が最も恐れられる理由だよ」

理性あった者をも狩りたてる吸血衝動。
被害者であった筈のものが加害者になってしまう。
新たな悲劇を生みだすスパイラル。
それこそ最も質の悪い感染症だ。

小松は今にも泣きそうな顔をして息を呑んだ。
ココの言葉にはどこか真実味がある。
会ったら生きてはいられないと言われている吸血鬼に会った事があるのか。
いや、目の前でそんな惨劇にあったかのような口調。

小松は未だ我を失う程の空腹を味わった事はない。
しかしそうなってしまってからでは遅いのだ。
ココの言うことも分かる。
分かるので、突き付けられたそれから目が離せない。

・・・でも嫌なのだ。
料理をしていたついさっきまでは、小松は自分が吸血鬼だと言うことを忘れるくらい普通の人間と同じだった。
今も腹が減らないだけで、今日のように食事をしようと思えば食べられる。
だが、グラスに入れられているから吸血とまでいかずとも、血液を飲むと言う行為を行ってしまえば、決定的に何かが違ってしまう気がするのだ。

既にココからの拘束は解かれてはいるのだが、手はグラスに伸びていかない。
最悪を回避する為の手段。
小松も村人を手に掛けないですむなら、それに越したことはないと思う。

ココは間違っていない。
小松の方が…いや、自分の存在そのものが間違っているのだろう。

「…」
「・・・・」
「・・・・・・・・」
「…はぁ。」

どちらも引かない。喋らない。
そんな空気を壊したのは、ココのため息だった。

ビクリと小松の肩が竦む。
とうとう邪魔になって始末される時が来たのかもしれない。
ただでさえベッドを占領し迷惑をかけていたのに、食事をしないと我儘を言うような化け物を匿う必要など、本来ココにはない。

「…小松くん」
「はいっ…!」
しかしそれで良いのかもしれない。
生きていても害にしかならないと判断されたのであれば。

「ちゃんと考えておいて」
そう言うとココはグラスをテーブルに置いた。
「え?」
ほけっとココの手の動きを追うが、殺すどころか強要するでもなくココは部屋を出ていった。

「…え?」
もう一度ココが出て行った扉とテーブルに置かれたものを交互に見る。
しかし何度見ても扉が再び開く事はなかったし、グラスを置いたままココは居なくなっている。

一瞬、何が起こったか分からなかったが、ココが自分に時間をくれたらしい、という事をしばらくしてようやく理解した。
それは、ココからの信頼の証でもある。
例えば小松がグラスの中身を流して捨てて、飲みましたと嘘をつく可能性を考えていない。
小松が真面目に考えているからだろう。
自覚はないが小松の顔色は悪いらしいから、嘘をついても血色が良くなっていなければ分かるのかもしれないが。

これを用意するのに、どれだけの労力がいっただろう?
吸血鬼でもないものが、吸血以外の方法で、人間の血液を得る。
普通に考えてそれはとても難しい事だ。
人に頼むとしても、そんなおかしな依頼を引き受ける人間もなかなかいないだろうし、居てもきっと足元を見られるだろう。
ココはお金持ちのようなのでそんな心配は無用であるかもしれないが、それでも小松は自分の為に危険を犯したり無駄なお金を使って欲しくはないと思っている。

小松とて分かっている。
生きる為にはそれしかないのだと。
そして、分かっていて尚、手をつけたくないというのが小松の結論だった。

「・・・よし。まずはキッチンを片づけよう」
結論が出てしまえば、むしろ気持ちは楽になる。
キッチンが汚れたままにしておくのは嫌だ。
立つ鳥跡を濁さずとも言うし、何より小松にとって最も身近で好きな場所であるのだ。

 

ココは小松に言われた買い物に出ていた。
小松に考える時間を与えたものの、あれほどの拒絶反応を見せたのだ。
そう簡単には頷くまい。
おそらく今回は飲まないだろうというのがココの結論だ。

ココが手に入れたものは、村人から抜いた血液ではない。
とある筋から手に入れた血液製剤だ。

一般には知られていないが、吸血鬼ハンターに吸血鬼が殺されずに捕えられた場合、協会を通して吸血鬼のみを集めた療養所に送られる。
そこでは様々な研究もなされており、吸血鬼を人間に戻す方法や、吸血鬼の吸血欲を削ぐ研究もその一つだ。

もしそれが実現すれば、何れは吸血鬼が人間と共存できる方法も出てくるかもしれない。
もしくは吸血鬼に転化しても人間に戻せるなら、感染の拡大防止にもなる。
最終的にはオリジナルの吸血鬼でさえ、人間に出来たらこの世から吸血鬼への恐怖などなくなるだろう。
だが、現実にはまだまだ研究段階で、実現には程遠いのが現状だ。

そう言った目的を持って出来た施設で、捕えられた吸血鬼に与えられる食事が、ココの手に入れたものだった。
研究の初期の成果でもある。
献血で手に入れた血液を精製、凝縮し、カプセル状にしたもの。
それを水に溶かして飲む。
更に改良を重ねられ、今では通常より濃いそれは栄養価も高く、療養所で暮らす吸血鬼達の食事の回数も減る程だという。
吸血鬼の吸血衝動はまだ抑える事は出来ないが、定期的に栄養を摂取していればそうそう自我を失う事もない。

だが療養所と言えば聞こえは良いが、実際には吸血鬼化したものの隔離設備を兼ねた研究施設だ。
与えられた部屋の窓には聖水で精製して作った鉄格子が嵌めてあるし、ドアも教会の刻印入りの厳重な鉄製の扉。
外に出る時は四肢の自由を奪われる。
囚人と扱いはほとんど変わらない。
いや、理性を失ってしまった者は研究と称した人体実験も行われていると言うから、囚人より酷いかもしれない。
吸血鬼が血の欲望に暴走し始めれば人に止める事は出来ないとは言え、明らかに療養所ではなかった。

捕えた吸血鬼を療養所に送る。
それが小松である場合、プラスに働くかどうかと言われれば、明らかにNOだ。

数日経っても、小松の化物じみた変化は血への反応と毒草に対する治癒力のみ。
その治癒力もそもそも口に含んだ量が少なかっただけ、運が良かっただけと取れなくもない。
日光を怖がらず、料理としてニンニクも扱う。
日が沈めば眠り、日のある内に目を覚ます。
力もスピードも人並み。
声が大きい・・・のは元からだろう。
小松は腹は減っていないと言ったが、腹は鳴っていたし顔色は悪い。
料理好きも元からかもしれないが、昨夜から引き続き出されたものに口をつけたりして人間の食事をしようとしている事からも、飢餓感までいかずとも空腹感はある筈だ。

吸血鬼に血を吸われ吸血鬼化している筈なのに、身体的には殆ど変化がない。
研究材料にはもってこいだろう。
そしてそういったレアなケースに喜んで食いつく研究者はあの施設にごまんといる。
むしろ殺されていた方がマシだという目にあうかもしれない。
もし小松を療養所に送る事になったとすれば、ココは十分説明をしてからにしようと思っている。

だがあの顔色を見ていると、吸血衝動が起きるのも遠い未来ではない気がする。
早く何とかしなければいけない事も事実だった。

 

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プロフィール
HN:
波竹 きみる
HP:
性別:
非公開
自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
カウンター
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