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夏コミの発表がある中、職場の方でも夏休みの発表がありました!
わーいv
夏コミ行けるーv
ちょっとテンション上がってます★
でも問題はあのうだる暑さの中、一般参加しなきゃいけないトコなんだよな・・・
早くに行って並ぶ自信がありません。
スパコミの時の暑さでも既にいっぱいいっぱいだったのですが・・・
でも早く行かないと小松受けサークルさんは売り切れてしまうかもしれない・・・!
どうしてゲームとジャンプが同じ日じゃないんだー!めそ。
まぁ、他力本願なんですけども。
以下はトリコマ週間の時に書こうとして時間なくて挫折したトリコ+小松SSという名のココ+小松SSです・・・
え、分からない?
つまり、例によってココ離れ出来てないトリコマSSを書こうとしたけど、トリコマにすらならなかった駄目SSって事ですよ。
追記!
書き忘れてましたが、本誌ネタバレを含みます!
既に読んじゃったコミックス派の方すみません・・・!
「やぁ、いらっしゃい」
トリコの事で相談があると言われ、ココは小松を仕事場に招いた。
小松の悩みは分かっているつもりだが、ココは小松自身が言葉を発するまで待つつもりだった。
小松は遠慮深いのか、過小評価が過ぎるのか。
四天王と気易く接してくるくせに、自分がその四天王とコンビを組めるなどとは夢にも思ってない。
小松は悩んでいるのか、なかなか言葉を発しない。
緊張しているのかもしれない。
「小松くんはトリコのどこが好きなの?」
ココはまずリラックスさせる事を試みた。
ぱっと小松が顔を上げる。
「トリコさんってば美味しいものを食べている時の顔が本当に幸せそうなんです」
聞かれて嬉しそうに応える。
それはもう、この世にこれ以上の幸せはないというくらいの笑顔だった。
------今の君も十分幸せそうだけどね
という言葉を口にする前に小松は喋り続ける。
「だから、トリコさんを笑顔にする為にボクは自分の腕を揮うんです。トリコさんには笑顔が似合うと思うんです。
いつでも笑っていて欲しいんです。それが・・・ボクの料理を食べての笑顔だったら、もっと嬉しくないですか?」
------僕に聞かれても。
・・・という言葉を飲み込んだ。
笑顔で語られるそれはもはや惚気だ。
相談と言いつつ、実はトリコへの惚気をただ聞いて欲しかっただけなのかも?
そう無邪気に言える相手など、限られているだろうから。
「成程。だからトリコは腕を亡くしても笑っていられるんだね」
それだけ思ってくれる小松がいるなら、腕の一本や二本亡くした処で笑顔が絶える筈もない。
「え・・・・?」
しかしココのその言葉に小松は凍りついた。
小松がトリコに笑顔を強いているのではないかと思わせる一言だったからだ。
今までの笑顔すら強いられた笑顔であったならば、それを見て喜んでいる小松は傲慢で独りよがりもいいところだ。
トリコは小松の憧れだ。
トリコの為なら一生だって己の腕を揮う事も吝かではない。
トリコは他の誰とも違う、確固たる”自分”という物を持っている。
それは、そんな簡単に揺らぐはずのないものだった。
小松のどんな言動も、トリコの妨げになるなんて事はあってはならない。
ハントの邪魔になるのなら、置いて行かれても構わない。
それくらいの気持ちでハントにだって付いて行っている。
もののついでとばかりに助けられるのは良いのだが、小松の為にトリコが変わってしまうのは、違う気がした。
だって、小松の憧れていたトリコは、雑誌に載っていた美食屋トリコは、小松を守るために行動する人ではないのだ。
「意外・・・もっと喜ぶかと思ったけど。だってその憧れのトリコに影響を及ぼすくらい、トリコの中で小松くんの存在が大きくなってるって事なんだよ?」
言葉を失った小松に、慌ててフォローを入れる。
惚気を言って、その相手に自分がどれほど影響を及ぼしているか実感出来れば、嬉しく思うのではないのだろうか?
「それが恐れ多いんですっ!」
むしろ青くなって、あわあわと両手を振り回す。
どうやら小松はココが普段相手にしている女性客とは少し感覚が違うようだ。
美食に生き、美食に死ぬ。
”食”を重要視するこの世界で、美食を追及する大柱。
コックなど、調理する食材がなければ何の意味もない職業なのだ。
コックは美食屋に支えられているが、美食屋は美食屋だけで完成されていた。
だから、小松がトリコをリスペクトするのは当然で。
トリコがトリコたるのも当然の筈だった。
つっかえながらも、理由を説明するが、逆にココは眉を顰めた。
「美食屋が完成されている?おかしなことを言うね、小松くんは」
「おかしいですか?」
むしろそれこそが真理だと思うのだが。
「おかしいさ。だって料理人は美食屋が発見した食材をより美味しく昇華させてくれるだろう?」
「でもそれは美食屋が美味しい食材を発見出来なければ、料理人だけでは意味がないですよね?」
「なら、小松くんが食材を取りに行けば良い」
「・・・ココさんもトリコさんと同じ事を言うんですね」
自分は料理人だから、誰かにごちそうする為の食材をハントしてきて欲しいと頼めば、トリコはキッパリ断った。
まさしく一刀両断である。
ココと出会ったフグ鯨のハントの時だ。
それ以降小松はトリコのハントに同行はしても、あれが欲しい、これが欲しいとは願わなくなった。
自分が取れるキノコや果実を、持ってきたグルメケースに拾い集めるくらいだ。
小松がトリコの為に何かをするのは、小松の勝手。
しかしトリコはトリコの為に行動する。
他人に影響などされはしない。
自分が食べたいから、狩る。
ただそれだけだ。
「小松くんは何か勘違いしてるんじゃないかい?取ってくる食材は、何も猛獣とは限らないんだ」
「猛獣じゃなくても、危険区域には間違いないですよね・・・?」
「未開の地であればそうなっても不思議じゃない。けれど、美食屋と料理人は違うだろう?」
「料理人にはハントは無理って事ではなく・・・?」
「違うよ。料理人にだって食材の確保は出来る。例えば・・・そうだな。原油チョコレートがそうだ。
あれは油田でたまに出る事があるものだから、捕獲レベルは付かない。
それにそのまま食べると死ぬから、そもそも誰も食べようだなんて思わないだろう?
けれど・・・」
「節乃さんですね」
「そう。放射能を除去し、極上のチョコレートの原料を精製したんだ。
普通なら見逃してしまうような食材、食べようとも思わないもの、それを発見して食べれるようにして、更に美味しく調理出来る。
小松くんはどうして美食屋と料理人がペアを組むか知っているかい?
美食屋とは違う視点で食材を探し出す事が出来る。
これが料理人としてのハントなんだ。
捕獲レベルにこだわらなければ、小松くんだってこれからいくらでも発見出来る筈だ」
ぽろぽろぽろ
小松の目から鱗が落ちていく。
「本当は美食屋より料理人の方が器用でオールマイティなんだよ?
美食屋は美味しいものを発見出来ればラッキーだけど、捕獲が難しいだけで美味しくないものや食べられないものをハントしたって誰も喜ばないだろう?
けれど料理人は美味しくないものを美味しく、食べられないものを食べられるように出来る。
そうすれば、その食材を発見した美食屋の名も一気に上がる。
それくらい、美食屋にとって料理人とは貴重な存在なんだ。」
「僕・・・僕、そこまで辿りつけるでしょうか?」
小松は震えながらも己の拳を握りしめた。
「これからの努力次第、だね。たゆまぬ努力を惜しむことなく続けていれば、あるいは」
小松にそれだけの決意があるのなら、それはきっと遠い未来の話じゃない。
「そ、か・・・・僕、頑張ってみます!まずはトリコさんにハントに連れて行って貰えるように!」
「え?」
何故そこでハント?
惚気から始まった相談事は、まさか今更トリコのハントに同行したい云々の話だったのだろうか?
「ありがとうございました、ココさん!流石お悩み相談所!」
「いや、僕は占い師・・・」
「スッキリしました!本当にありがとうございます!」
ココの言葉を聞くでもなく、ぺこりと頭を下げ小松は笑顔で出て行った。
トリコは既に何度もハントするのに小松を誘っている。
むしろ暗黙の了解というやつで、美食屋と料理人とのコンビを組んでいると思っている筈だ。
故に小松は悩んでいると思っていた。
自分など、トリコの相手には恐れ多いのではないか、と。
トリコのパートナーになる云々の話ではなかったのか・・・?
確かにトリコの隣にいるには、自分ではまだまだだと思っている節が小松にはある。
五つ星のレストランの料理長であっても、上には上がいるのだから自分は半人前と称する小松なのだ。
けれど今の小松の言動からでは、パートナーどころかトリコのハントについて行って良いのかどうかというレベルの話だった。
仕事の都合が合わない事以外で、トリコがハントに行くのに小松の同行を認めない事などないと思うのだが・・・
いや、いっそずっと俺について来いと言わんばかりの態度は、周りで見ている方が恥ずかしくなるくらいなのだが。
それに微塵も気づいていないで悩んでいるのが小松らしいと言えば小松らしいのかもしれない。
「・・・まぁ、良いか」
なんかスッキリした顔をしてたし。
言いたい事は言った筈だが、結局ちゃんと伝わったのかと言われれば、半分も伝わっていた気がしないココだった。
後日。
ハント中、トリコの静止を待つでもなく何でもかんでも口にするようになった小松に、トリコが怒りの電話をかけてくるのも、そう遠い未来ではないのであった・・・・
『ココぉ!』
「・・・今度はなんだい?」
『小松が喋れなくなった!!』
「・・・分かった。ボクん家に連れておいで。食べた物が分かれば解毒出来るから」
『ついでにいい加減小松を説得してくれりゃ助かる』
「・・・それは、無理かも」
小松は小松で、一人前になろうと必死なのであるからして。