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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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拍手ぱちぱちありがとうございます。

ちょっと遠出して野菜メインの食事をしてきました。
これで日頃の野菜不足解消!
・・・本当は続けなきゃいけないんだろうなぁ。

とりあえず購入した人参茶でも飲んでみようと思います。
何も気にせず珍しいからと思って買ってみたけど、実はもしかしたらかなり甘いのかもしれない・・・
と匂いで思いました。

以下はココマパロの続きです。
 




「お湯いただきました~」
暫くすると小松が私室に戻ってきた。
煤汚れを落とし、随分小綺麗になった。

ココはいつもの椅子で読書をしていたが、そう言って部屋に入ってきた小松をジッと見つめる。
確かに綺麗にはなった。
だが湯を使ったにも関わらず、やはり顔色は悪いままだ。
温まっていないわけではないだろう。
身体からはまだわずかに白い湯気が立ち上っている。

「あ、の・・・?あ、お出かけします、か・・・?」
どうしてそこまで見つめられているのか分からない小松は、ココの視線に勝手に見当をつけたらしい。
さっさとベッドの上に上がってしまった。

大人しく枷を嵌められるのを待っているらしい。
ココが先ほど小松を縛らずに出かけた事は棚にあげられているようだ。
そんな小松を見て、ココは静かに椅子を引いて立ち上がる。

しかし近寄ってくるココは手ぶらだった。
昨夜から使われてない枷は仕舞ったままで見当たらない。

「ココさん・・・?」
話しかけても応えてくれないココは、小松が吸血鬼に変貌したと分かった時の態度と似ている。
けれどあの時はキッパリとした拒絶の意を感じたが、今はその時とは少し違うように感じた。

「あの・・・・?」
------悩んでいる?それとも緊張している・・・?
無言のまま近寄ってくるココの意図は読めない。
もしかすると、苦しまずに殺せる方法を模索しているのかもしれない。

何が起こってもココの判断を受け入れよう、と小松は腹をくくった。
あぁ、遺書の一つでも書いておけば良かったかもしれない。
けれどレシピが残ってるからそれが遺書がわりでも良いかな。
ぎゅっと目を閉じると、覚悟を決めた筈なのに色々な事が脳裏を過る。

後悔していないなんて言えない。
もっと生きたかった。
もっと料理をしていたかった。
でもそれは”人間として”であって、人の血液を啜ってまで生にしがみつきたい訳じゃない。
ココは司祭だ。
きっと魂を素早く天に送り届けてくれる。

小松の傍まで来たココは、膝を曲げてしゃがむと小松の顎を持ち上げる。
ぎゅっ、と目をつぶった。

ふにゅ
小松が覚悟していた以上に柔らかな感触に目を開くと、視界はココの顔の一部でいっぱいだった。

「!?…?!」
驚きのあまり言葉もなく硬直する小松を眺め、大丈夫そうだと判断すると、今度はチロリと舌を出して唇を舐める。
唇の合わせ目を端から端へと一舐めすると、ココは何事も無かったかのように立ち上がり、小松の反応を待った。

「…」
硬直。

テーブルの方へ戻ると、水差しを手に取り、グラスに水を注ぐ。
静かに飲み干すと、ココはもう一度グラスに水を注いだ。
「小松くん?」
振り返って声をかける。

「に…」
「に…?」
「にゃーー!何事ぉぉー?!」

「やぁ、おかえり、小松君」
小松の大声も予想していたのか、ココは動じることもなく笑顔で受け答えする。
「おっ、おかっ、おかえりじゃないですよっ!」
びっくりし過ぎて舌が上手く回らない。

ココは慌てる小松に手をかざした。
「それより小松くん。気分は悪くないかい?」
「は?」
訳も分からず目を白黒させる。
「気持ち悪いとか唇が痺れるとか…」

グラスを手に近寄り、空いた方の指で先ほど舐めたばかりの唇を辿る。
感触を思い出したのか、どかああぁぁっと小松は一気に頬を紅潮させた。

「くっ唇が痺れるとか痺れないとか気持ち良いとか悪いとかの話じゃありませんっなんて事するんですかっビックリするどころじゃないですよおぉぉー…!!」
最後の方は息が続かなかったようだが、一息にそれだけ言い切ると小松はぜーはーと肩で息をした。

「小松君、はい、水。飲むだろう?」
グラスを差し出せば素直に受け取った。
風呂上がりで喉が乾いていたのか、ゴクゴクと水を飲み干した。
「わぁ!わざわざありがとうございます…って違うー!!」

「まぁ今の君を見ていれば平気そうだけれどね」
「さっきから会話が成立してない気がするんですけどー!?」
さっきから何を言われているか分からない。
頭が混乱し過ぎて処理能力をオーバーしてしまったようだ。

「ねぇ、小松君。キスしようか?」
「だ、だから会話がっ!!ちゃんと会話しましょう、ココさん!!僕の声聞こえてます!?」
キス?!
キスってさっきしたような?!
何でっ!?
問い質したい事がいっぱいだ。

そんな小松の様子を見ていない訳でもないのに、ココはそのまま自分の話を続けた。
「毎日一時間」
「い、一時間!?そ、それって今の話の続きですか!?」
一体どういう了見でそんな事になっているのかさっぱり分からない。
冗談にも程がある。

「先に言っておくけど、冗談じゃないよ?」
「ええええええ!?」
どうやらココは言いたい事を言うまで止まらないらしい。

「キミは今、食事を必要としている。それは間違いないと思う」
「え・・・」
急に現実に触れられ、小松は言葉を失った。
ココは変わらず話し続ける。

「もし、君の栄養源が人の赤血球だった場合、いずれ選択しなければいけない訳だが」
選択とは先ほどの血液製剤を飲むかどうかという事だろう。
「もし人の体液が栄養源なら、唾液でも良いんじゃないかと思ったんだ。唾液にも酵素や抗体なんかも含まれるしね」
「はぁ、それで・・・」

「ただ人の唾液は一日に1.2~1.5リットル。そんなに沢山出るものじゃない。血液を飲む事に比べると効率が悪いからと言って、その量を補う為に一日に五時間や六時間もキスし続けるのは不可能だろう?けれど毎日少しずつ摂取すれば・・・」
「もしかして僕、血を飲まなくても生きていけるって事ですかっ!?」
ぱぁぁっと小松の顔が明るくなった。

吸血鬼となった者は欲望のままに獲物を見つけては血を啜るが、元々生きるために必要な量はそう多くない。
余程少量ずつでなければ、毎日でなくとも構わない。
状況によっては一か月や二か月食わなくても平気な吸血鬼もいるくらいだ。

「保証はしない。ただ仮説を立ててみただけだから。けれどやってみる価値はあると思う。これで少しは顔色が良くなると良いんだけど・・・」
ぽつり、と零された台詞に、小松は目を見開いた。

まさか風呂に入る前に言われた”良くなる”とは顔色の事だったのだろうか?
飢えた状態でなさそうなら、血色よく元気そうなら、ココは宿屋の主人に挨拶に行かせてくれるのか?
ココの台詞に希望が見えてくる。

「その、キミを実験台のように扱って悪いけれど・・・」
そこまで心配してくれるココに小松は胸がじんと熱くなった。

人によっては小松は研究しがいのあるサンプルだ。
ココに小松をそのように扱うつもりはないが、分からない事が多すぎてココには何一つ保証してやれる事はない。
------そう、小松の生死さえ今は不確定要素に塗れたままだ。

だが、積極的に殺したくない。
殺さないで済む可能性があるのなら、出来るだけの手段を講じたい。
そのくらいにはココは小松を好いていた。

「そんな事ありませんっ!あんなの飲まなくて生きていけるんなら、キスでも何でもっ・・・・あ・・・でも、ココさんは・・・」
言葉を濁してココを伺う小松を安心させるように頷いた。
「あぁ、だからさっき試しただろう?僕の血液は君にとって毒だからあげる訳にはいかない。まぁ君も飲むつもりはないのだろうけど」
やはりしっかり見抜かれている。

「けれどこっちは血液に限られるようだね。小松君は僕の唾液には拒絶反応を起こさなかったようだから」
「それでさっきの・・・」
むしろそれこそ実験台なのではないか、なんて頭の隅で思う。
もし駄目だったら小松の唇は焼け爛れていたかもしれないのだ。

まぁ最初の朝もいきなりカーテンを開けられたし、十字架を顔に押しつけられたりもしたし、今更どうこう言うつもりもない。
けれどその説明を最初にして欲しかったと思うのは間違っているのだろうか?
いやいや、ココは小松の為に考えてくれたのだ。文句は言うまい。

「・・・って!違います違います!ココさんの血は毒とかそんな事ではなくてっ!僕はともかく、それってココさんも僕と毎日キスしなきゃいけないって事なんですよっ!?」
小松の疑問とココの回答は根本的なところでズレている。
キスの衝撃で毒の事なんて言われるまですっ飛んでいたくらいだ。

「うん、それで?」
平気な顔で応えるココが小松には信じられない。
「それでって!ココさんモテるのに!変な噂が立っちゃったらどうするんですかーーーー!」
ミサの時の話を聞いただけでもココの人気っぷりは伺える。

「知らないのかもしれないけれど、司祭は婚姻出来ないんだよ?」
「そぉーいう問題じゃないですっ!」
ココのファンには確実に旦那や子供がいるような熟年の女性も含まれている事だろう。
だって基本的に人の少ないこの村には、年頃の若い娘の数も少ない。
ミサの時に倒れたと聞いた人数が既に未婚の年頃の娘の数を上回っていそうだ。
結婚しているしていないなど、ココの反則的な魅力の前には関係ないのだ。
むしろ村の男衆から文句が出ないのが不思議なくらいだ。

「小松君」
「はいっ!?」
混乱しながら返答したが、ココの真顔を見て冷水を浴びせられたような気持ちになる。
「何か勘違いしているようだから言うけどね・・・」

「僕は、小松君が誰彼かまわず人を襲うような吸血鬼になってしまったなら、君を殺すよ」
ドン
その一言は小松の胸に重く響いた。

「わ、分かって、います・・・」
応える声が震え、小さくなってしまう。

「君は人工のものですら、何が何でも血を飲みたくないんだよね。頑固だけど、人間的でもある。
小松くんの気持ちも分からないではないから、他人を襲わないでいることを守ってくれる限り、僕は最大限の努力をしよう。
必要と判断したら、さっきの人工血液を調達する。でもそれは本当に望む事じゃない。代案があるなら色々試してみたいと思う。
キミだってキスの一つや二つで生きていけるなら、喜ばしい事じゃないか」

「でも、それだとココさんのメリットがありません・・・」
「殺さないで済む。それが一番だよ。それに・・・君の料理は美味しいんだ。・・・とても、ね」
パチリとウインクを返され、小松は慌てて顔を逸らした。

ドッドッド
自分の心臓が暴れて煩い。
頬が赤くなってしまうのは自分の料理を褒められた為か、それとも・・・・

「まぁ、あまり深く考える事はないよ。さっきのように僕の口をつけたコップで水を飲むのとあまり変わらないさ。男同士だし、変に気負う事もない」
「そう、ですかね・・・」

回し飲みとはだいぶ違うと思うのは、小松だけだろうか・・・?
まぁ、この調子ではココとの仲を誤解するような特定の女性はいなさそうだし、何よりココ自身が気にしないなら良いのかもしれない・・・
だが始終この調子なら村の女性全員がココにオチる日はそう遠くないのではないかと思われる。

「ココさんって司祭様のくせにタラシですよね・・・」
「ん?」
「いーえ、なんでもありません」
小松は言及を避けた。

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感想
こんばんは、5/15は丁寧で可愛い返事ありがとうございました、読んでて楽しかったです。今回はとうとうキスまで進んだので夜中なのに嬉しくて来てしまいました。これから毎回食事はキス…それも1時間…と妄想すると素敵すぎて中々寝れないです。また次も楽しみにしています。
うわう、 2010/06/22(Tue)01:18:34 編集
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プロフィール
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波竹 きみる
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性別:
非公開
自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
カウンター
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