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スパコミお疲れ様でしたー!
本出して下さった方々、ありがとうございました!
大阪のオンリーも行ったので、プチオンリーと言えどそう沢山は買えないかもなんて思いながら行ったのに、予想外にたくさん買えましたvv
うわぁいv
もう今から一週間くらい引きこもりたい。
小説を残りの休みで読み切っちゃいたい勢いですが、明日はお出かけです。
そいや昨日トリコを勧めた友達が予想外にコミックスだけでなく同人まで読んでました。
意外と好反応!?
以下はパロココマの続きです。
”待つ”とは思っている以上に疲れるのだ、と小松は感じていた。
特に問題なく、無為な日々が続く。
しかし、嫌が応にも自覚させられた異常が一つ。
腹が減らないのだ。
あの時の朝食を境に、小松は食事を摂っていなかった。
最初の一食二食は、精神的なショックとか、動いていない為かと思っていた。
だが、人間はただ生きているというだけで腹は減る。
息をするだけ、寝ているだけでもカロリーを消費する生き物だ。
二日目、三日目と腹が減らないどころか喉もほとんど渇かない。
自分の身体だけ、時が止まってしまったかのようだ。
しかし働きもせずただ病人のふりをして寝ているだけでは思考する時間だけは無駄に出来てしまう。
少しずつ人外になる兆しのような気がして小松は恐怖していた。
一方のココはこの数日、ほぼ決まった行動を取っていた。
吸血鬼が活発になる夜は念のため小松をベッドに縛り、自分はそのベッドを監視出来る椅子で寝る。
小松を監視しなければいけないという事で別の部屋で寝かせられないことは仕方ないとしても、
椅子で寝るのは辛いだろうと何度かベッドを譲ろうとしたが、慣れているから、と頑としてココは首を縦に振らなかった。
ココの朝は早い。
朝起きて、身支度をし、礼拝堂で祈りを捧げ、30分ほどの散歩。
その散歩中に積んできた薬草を煎じ、寝起きの小松に手当てを施す。
寝起きは感覚が鈍いのか、小松も手当ての時にもあまり痛そうな表情はしない。
それが終われば教会内の掃除、住居スペースの掃除、洗濯を行う。
午前中はほぼそれで終わってしまう。
午後からはほとんどの時間を書き物をしたり読書をして費やす。
毎日出かける事は出かけるが、それはほんの一二時間で、買い物にでも出ているのだろうか?長くあける事はない。
その内決まった時間には告会室で村人の懺悔を聞くようにもなるのだろうが、今はそういった事をしていないようだった。
小松はただ見ているだけだ。
せめて家事を手伝おうかと思ったが、寝込んでいる事になっている人間が日の下を歩いてはいけないと洗濯をさせてもらえないのは勿論、窓を開けて掃除をして村人に見られたらいけないから、と掃除もさせてもらえない。
食事は小松に遠慮しているのか、ココは小松の前で食事をとることはない。
気にすることはないと思うのだが、そこまで気を使うココに作らせてほしいとも言えない…
いや、化け物の作った食事を口にしたくないのかもしれないと思えば、いくら料理好きとは言え、小松からココに頼む事など出来なくなっていた。
ただ無為に時間だけが過ぎていく。
たった数日が酷く長い。
厚いカーテンごしに聞こえる小鳥の囀り。
ぼんやりと目を覚ませばココと目が合った。
「おはようございます」
「あぁ…起きたの」
ちらりと視線をよこしたココは、すぐに手元に広げた本に目を落とした。
いつもと同じ朝のはずだがどこか違和感。
ココは聖書を見てぶつぶつと呟いている。
そうだ、今日は日曜日。
初めてのミサの日だ。
ふ、と顔を上げたココは読みかけの聖書を置いて席を立った。
やはり色々と準備が忙しいのだろう。
手伝えないのが心苦しい。
ふと机を見れば、ココが何かの実を磨り潰したような乳鉢がある。
毎朝ココが小松に塗ってくれる薬草だろう。
今は出歩かせて貰えないので、気の早い村人と鉢合わせる可能性のあるミサの準備の手伝いは出来ないが、その分自分の手当てくらいならココの手を患わせなくて済むだろう。
そう思って乳鉢を覗き込めば、ツンと鼻に来る刺激臭。
「うっ!」
思わず身体が引けるが、間違いなく自分が普段塗られている薬の匂いだ。
包帯を外し、恐る恐る乳鉢の中身を手に取り傷口に塗る。
もう殆ど良くなってきているからか、しみるような痛みはなくなってきていたのに、今日はやけにピリピリと皮膚が引きつるような痛みが持続する。
塗り方にもよるのかも、と薬でベタつく右手を舐めた。
「うげぇー」
予想に違わず不味い。
独特のエグみがいつまでも舌に残って喉の方までイガイガする。
これは料理に使えそうもない。
ふと顔を上げると、ココと目が合った。
「あ、ココさ…」
どうやら戻ってきたらしい、と声をかけようとして思わず言葉を飲み込む。
「…何、してるんだ…?」
その顔は作り物のように表情なく強ばっていて、小松はそれを怖いと思った。
「あ、の、その、ボク…自分の事くらい、自分でしようと…」
上手く動かない舌を必死に動かして、ココを見上げる。
「勝手にっ…!」
ガッと乱暴に両肩を捕まれ、小松はびくっと体を強ばらせて目をつぶった。
殴られる事も覚悟したのに、いつまで経っても制裁はこない。
恐る恐る目を開けると、難しい顔をしたままココは小松を見ていた。
「…すまない、取り乱したりして。恐がらせるつもりはなかったんだ」
軟化したココの態度に安心し、涙腺が緩む。
きっと、してはいけない事をしてしまったのだ。
あんな風に怒るなんて、思ってもいなかった。
「ごめっ…ごめんなさい、ココさぁん」
謝ると、ますます耐えられなくなった。
うわあぁんと声を上げて泣き出した小松を宥める為に、ココはポンポンと頭を叩く。
ココが意識的にしてくれているのか、今までも何度か行われた行為。
酷く安心するその動作に、涙腺が涸れるまで小松は泣いた。