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手ブロはもうすっかりサニー祭ですね!
サニコマネタを吹っ飛ばした私はすっかり波に乗り遅れております。
世間ではサニー熱が高まっている中、私はシンプルサーチでトリココ72、ココマ71サークルという、もう少しでココマがトリココに追いついて追い越してしまいそうという事実にドキドキしています。
小松受もアリかもしれないけど、トリコで一番の王道はトリココだもんね!と言ったトリココ派の知り合いの
小松受は多かったけど、トリコマ・ココマ・サニコマまんべんなくいて、トリココは単独トップだったイメージなので、ココマが追いついてきてて嬉しい!
後2サークル増えないかなぁ、と日々サーチをチェックしてます(暇人か)
つまりはね。
トリコで一番の王道はココマだよね!って言いたいんだっ!!
以下はココマパロの続きです。
一方でミサを行おうとしていたココの方でも、問題が起きていた。
「ありがとうございます。村長さんがいなければ、どうなっていた事か…」
「貴方はもう少しご自覚されると良い」
苦々しい顔で村長はそう告げた。
「申し訳ありません。こういった事の対応は普段助祭の仕事でもありましたので…」
暗に今回が初めてではないのだと告げると、村長は嫌そうな顔をした。
気持ちはよく分かる。
おそらく今回の事で一番頭を痛めているのが村長とココの二人だろう。
「助祭…新しく決めるのにも一悶着ありそうじゃな…そうじゃ、小松の奴はどうですか?前任者についていただけあって経験もありますし、あ奴ならそう文句も出まいて」
「そうですね。彼が元気になれば是非」
にこりと笑顔でそう告げる。
仕向けたのはココだが、村長の方から都合よく言いだしてくれた。
話運びが楽で助かる。
「まだ起き上がれないのか?」
「随分良くはなりましたが…見舞っていかれますか?」
流石にいつまでも誰にも会わせずでは不審に思われるかもしれない。
ココは自ら言い出した。
「そうだな。小松の状態も確認しておきたいし、頼みます」
「はい。ではこちらへ」
ココは村長を連れて歩きだした。
コンコン、とドアをノックする。
小松は大人しく寝ているだろうか?
今朝は反省しているみたいだったから大丈夫だとは思うが、今日のように気を使うあまり、たまにココの予想外な事をしでかす事もある。
「入るよ」
ノックをしても返答のない事に一抹の不安を覚えつつ、ココは村長と共に部屋に入った。
「小松」
ベッドが人の形に膨らんでおり、それに気付いた村長がそこに向けて声をかける。
被った毛布が僅かに上下しているにもかかわらず反応がないのを不思議に思って覗き込めば、はっはっと粗い息をしながら魘される小松がいた。
「こっ、これは…!」
触れようと手を伸ばしていた村長は慌てて手を引っ込めた。
小松の顔や手にはブツブツと赤い発疹があったのだ。
「…感染症の類ではありませんよ」
「う、そうか。そうだったな・・・」
明らかにホッと胸を撫で下ろす。
部屋に入った瞬間、小松の現状を把握したココは、水を張った手桶を準備していた。
随分熱が上がっている。
解熱剤を用意した方が良いかもしれない。
固く絞ったタオルを小松の額に乗せた。
「それにしても毒草を口にしたとは本当だったのですな…」
少し離れた場所で見ていた村長が呟く。
全身まだら模様のようになってしまっている小松を見た後は、近寄ろうともしていなかった。
やれやれ、とココはため息をつきたくなった。
今回に限っては嘘から出た誠な訳だが、事前に伝えてあった村長ですらこうだ。
もしあの状態で倒れている村人を他の村人が見つけたら隔離…下手をしたら被害が広がるのを防ぐと言う見当違いの理由で抹殺されかねない。
「野草には詳しい方なので、似たような症状の村人がいたら僕にもご相談ください。あぁ、もちろん、医者にかかるのが一番だとは思うのですが・・・」
「そうさせてもらおう。小松に何か変化があれば教えて下さい」
そう告げると、村長は同じ空気を吸いたくないとでも言うかのように、そそくさと教会を後にした。
村長は治ったら、とは言わなかった。
事前にココが大分良くなったと言ってしまっていたから、この状態で”良い”という事は倒れた直後は余程酷い状態だったのだと判断したようだ。
小松の余計な行動のおかげで、ココの言葉に説得力が出たことになる。
「全く・・・悪運が強いんだかどうだか・・・」
すぐにぬるくなってしまうタオルを変えつつ、ココは小松を見下ろした。
意外と言うか、小松の熱はその日の夕方には治まっていた。
いや、ココにも吸血鬼が毒草を接種した後の症状が人間とどう違うのかという知識はない。
ただ人間と同じように熱が出るなら、少なくとも数日間から一週間は魘されるはずだった。
しかし小松は体力を消耗して多少やつれてはいるが、夜には普通に起きて話せるようになっていた。
毒を自身で分解してしたのかもしれない。
その回復力のお陰か、手の傷の方も一緒に治ってしまったようだ。
包帯を交換しようと外した後、絆創膏の必要すらなくなってしまった。
「そう言えばココさん、ミサはどうでしたか?」
小松が何気なく尋ねたが、眉を顰めたココを見て聞いてはいけなかったかと危惧する。
「小松くん、君、熱が出ている時の記憶は?」
「え、熱で寝てた時ですか…?すみません…」
ただ昼前に一度目が覚めた時に何故か既にココが傍にいたので、随分早いんだと思っただけだ。
村長が見舞いに来た時の事は覚えてないようだと判断したココは、そちらには詳しく触れずに話しだした。
結論から言えば、ミサは定例通りに始められ、定例通りに終わらなかった。
いや、始めるも始めないもなかったかもしれない。
ココが通常の黒のカソックに祭儀用にと白いアルバに金の刺繍を施されたストラを身につけて祭壇の前に立った時、集まった村人から漏れたのは感歎のため息。
美丈夫で彫りの深い顔立ちに憂いを帯びた表情は艶めかしくさえあり、引き締まったボディラインを完全には隠しきれない巻頭依がストイックさに加え色気を強調している。
筋骨隆々ではないが細身でも決してない男らしさをも併せ持つ姿は、至上の芸術品のように人々を魅了した。
そんな完璧過ぎる容姿を持ったココが簡単な挨拶をして聖書の朗読に入った時、ガターンと大きな音を立てて村人が一人倒れた。
騒めきたつ周囲にも動じず、ココは朗読を辞め村人に近づいた。
しゅっと衣擦れの音をさせて屈みこむと、倒れた者を抱き起こす。
「大丈夫ですか…?」
「はああぁぁぁ…v」
頬を限界まで紅潮させた女性はそのままコテン、と意識を失った。
どうやら最初に倒れたのもココの魅力にあてられたようだった。
ガタガターン!
抱き上げた女性を椅子に座らせたココは更に二三人女性が倒れているのを見てそっとため息をついた。
残念ながらままある事ではある。
この村に来る前は助祭など他の教会関係者が対処してくれたが、流石に今の状態で傍観は出来ないだろう。
最初の者を隣に立ち尽くす若者に任せ、ココは二人目に近づく。
流石に村人も数人がかりで椅子に寝かせたりと対処していたが、「ご気分がすぐれないのですか?」声をかける。
そっと額に手をかざすと、「も、ダメ…v」二人目も眠りに就いた。
ガタガタガターン!
更に後ろで倒れた女性は確実にわざとだろう。
初めてのミサの為、様子を見に来ていた村長が止めてくれなければこの茶番がいつまで続くか分かったものではなかった。
ミサを始めるかどうかの内に、こんなに人が倒れていてはどうしようもない。
基本的には倒れた者は教会内にある宿泊設備で介抱も出来るが、原因である司祭が傍にいては回復するものもするまい。
村長の決定で倒れた女性は村の男衆によりお持ち帰りされた。
更に倒れた者は1ヶ月の教会への出入り禁止を食らった。
今後もそのペナルティは継続すると言う。
それくらいしなければ、立ち行かないと判断されたのだ。
「はぁ…凄いですねぇ」
熱が出ていないか、と小松を心配していたココにとってはある意味好都合ではあったわけだが、今日思った以上に早く切り上げてきた理由を熱の下がった小松が尋ねれば、ココは憮然とした表情で今日あったことを教えてくれた。
これは自分がもし村人の前に顔を出す事があったら、覚悟しなければならない・・・
何と言ったって小松は今、ココにつきっきりで看病してもらっている事になっているのだ。
嫉妬や質問攻めの嵐になりそうな予感にゴクリと唾を飲み込んだ。
「本当、凄い迷惑だよね」
「いやいやいや!それだけココさんが魅力的だったって事ですよ」
小松は断じてそんな意味で”スゴイ”と言った訳ではない。
「それで倒れたら世話はないと思うけど。君は魅力的な女性を見たら立ちくらみを起こして倒れるのかい?」
普通ならあり得ないが、それも相手がココなら納得出来そうな話でもある。
「最初に倒れた人はそうかもしれません。でも後から倒れた人はココさんとの接触が欲しかったんだと思いますよ」
「それは分かってるつもりだけど、ミサの途中で祝福を与える時に嫌でも接触するだろう。何もあの時でなくても…」
同じ村人として何とかフォローを試みるも、ココの眉根は寄ったままだ。
”接触”なんて客観的な言葉が悪かったのだろうか。
そう思い、小松は言いなおす。
「いえ…きっと皆に平等に接するのではなく、こう、個人的に一人に向けられる言葉や触れ合いと言うか…」
最初に倒れた女性など、自分がココに抱きあげられた事で、今日来ていた服を洗えなくなるかもしれない。
そんなアイドルのような雲の上の存在。
この村には分不相応な美丈夫だ。
「分からないな。仮にそうやって触れ合えても、ミサの邪魔をされた僕の彼女達への心証は確実に悪くなるじゃないか。」
冷めた台詞で突き放す言葉を紡ぐ司祭は、やはり前の司祭とは違う。
でもそんな事を言うココを、小松は少し可愛いと思った。
「えぇと、多分好かれようと思うまで頭が回ってないんじゃないかと思います・・・」
流石に彼女たちの気持ちまでは分からないが、ココに嫌われようとしての行動ではないだろう。
例え、ココの彼女たちの心証が悪くなろうとも。
「そう。短慮なんだね」
”バカなんだね”と小松には直接変換すら出来てしまった。
スッパリと切り捨てるココのことは、今日倒れた彼女たちは知らない方が幸せだ。
むしろそんな態度を取っていても、言いよる女性は後を絶たないかもしれなかった。