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書きたい時に、書きたいものを、書きたいだけ。 そんなココマ中心・小松受トリコブログ
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拍手ぱちぱちありがとうございますー。

なんだか内訳みてると、お話に対する拍手はありがたいんですが、感想や雑記の拍手って押し間違いかなぁ?と思っちゃいます。
それともあれか!?
トリコの視線に小松が妊娠しちゃう話をかけって事か!?
それとも妊娠を理由に小松にエッチ断られてもんもんとするトリコを書けって話でしょうか?(←飛躍し過ぎ)

そう考えるとちょっと楽しくなってくるんですが、とりあえずパロの続きをアップ。
今回あんまり楽しくないよ!
そしてリアルでは仕事を始めたので、更新スピードは落ちると思います。

 



小松の問題は一先ず置いておき、ココは約束通り指定された時間に村長の宅に向かった。
村長の家は村の中央の広場を抜け、南北に貫く大通りから一本それた北西よりにあった。
中央の広場を通るのは避けられない。
それを思うとココは少し憂鬱になる。
それは広場に近づくにつれ強くなった。

昨日の内に知れ渡ったのか、予想通り村人の…特に女性が広場に集っている。
まだ十メートル以上距離があるのだが、既に黄色い声があがっていた。

「こんにちは」
キャーッ!
何も特別な事は言ってない。
そこに人がいたから挨拶をしただけなのだが、半分はココにうっとりとした目を向けて立ちすくんでおり、半分は今にも襲い掛かってきそうなくらいの勢いで叫んでいた。
数人交じっていた男ですら、ポカンと大口を開けて惚けている。
あまり嬉しくはないが、慣れた光景ではある。
小松のように、ココを見ていきなり叱ってくる方が珍しいのだ。

「初めまして。新しくこの村に赴任してきた司祭のココです」
瞬時にリーダー格と思われる人間を割り出し、自然を装って声をかける。
ここで声をかける人間を間違えば、少々どころでなくやっかいなことになるのだ。
興味もない痴話喧嘩に巻き込まれるのはごめんだ。

「村長さんに呼ばれているので、失礼」
相手が惚けているのを幸いに、ココは早々に人込みをすり抜けた。
その内そうも言ってられなくなるのだが、避けられる内は極力避けたい。

昨日も顔だけは出しているので、位置は把握している。
昨日と今日では事情が違う為あまり長居をするつもりはなかったが、どうやら向こうもココを諸手を上げて歓迎出来ないようだった。
騒ついた雰囲気。
ココの姿を認めた使用人が明らかにまずい、という顔をした。
慌てて家の中に入っていく。

暫くすると、村長が額に汗をしながら出てきた。
「すみません、約束の時間より早く来てしまったようです」
実際、もう少し広場で足止めされるかもしれないと考えた上での事だったが、予想に反して10分ほど早くついてしまった。
「いや、それは構わないんだが…」
皺だらけの老人は言葉を濁す。
「何かありましたか」
敏感に嗅ぎ取ったココは、表情を引き締めた。

村長に促され、ココは屋敷に案内された。

来客用の部屋に、温かいお茶と茶菓子。
それだけ使用人に用意させると、村長は話し出した。

「恥ずかしい話ながら、君の歓迎会の食事を作るはずの者が一人、昨日の夜から行方が掴めんのだ…
いやはや、こちらから呼んでおいて申し訳ない…大事な役目を放っておけるような者ではないのだが…」

まさか。
思ってもみない相手方からの話。

通常村人に行方不明者が出たところで、新参者の自分には内密にされるだろう。
ましてや歓迎を受ける身。
水面下での行動こそあれ、歓迎会の場に不穏な事態が起こっている事など持ち込まないに違いない。

だがその一人がいないから、歓迎会の準備も滞る事態らしい。
だからこそ村長は恥を忍んで現状を明かした。

いくらなんでもあんな子供が…
いや、子供だからこそ大事なのだ。

昨夜から行方不明。
そして今朝の食事中の彼の台詞。
普通はメインはコックを使うだろうが、どう考えても符号は一致する。
何かの余興のつもりだったのだろうかもしれない。

「あの…それは小松くんの事でしょうか?」
「おぉ、知っておるのか?!」
村長は顔を輝かせた。
やはり。

 知っているも何も、今自分の部屋に縛り付けてきたところだ。
だがそれを口にする訳にはいかない。
特に大きな問題も今まで起きてないこの村で迂闊な事を言えば、必要以上に大事になる可能性もある。

「彼は今僕が保護しています」
「保護…?小松の奴がどうかしましたか?」
訝しげに村長が尋ねる。

「毒草でも口にしてしまったのか、高熱が出て寝込んでいるんです。昨夜僕が見つけました。
辛うじて名を名乗ってくれましたが、それ以降意識もなくて…あの調子だと、しばらくは起き上がれないかもしれません」

しばらくは誰とも会わずに済むような嘘を淀みなく吐く。
「それはそれは…ありがとうございます。では迎えの者をやりましょう」
「迎えの…?彼の家族はいないんですか?」
この辺りも折り込み済みだ。

「いや、実は小松は親をなくした独り身でして…ただ宿屋で働いているのでそこの主人に向かわせましょう」
宿屋で働いているとは知らなかったが、用意したココの言葉は変わらない。

「今、彼を動かすのは危険かと思います。それにご主人には仕事があるでしょう?
接客業であれば、熱や毒に浮かされた者を傍に置いておけば、客も良い気はしないでしょう。
彼と出会ったのも、何かの縁。引き続いて僕が看病しすよ」
さらさらと暗記でもしているように淀みなく言葉を綴る。

「いやしかし来たばかりの貴方に任せっぱなしと言うのも…」
「いいえ、村長。教会は求めるもの全てに門戸を開くもの。一度受け入れたものを放り出すなんてどうして出来ましょう?」

…嘘くせぇ~。
笑顔で応じる今のココを見たら、そう言う同僚の一人や二人は確実にいるだろう。
それはココ自身も自覚するところではあったが、生憎初対面にも等しい村長からはそんなツッコミは来ない。

「ま、まぁ貴方がそれほどまでに言ってくれるのであれば…」
ココに押され、へどもどと村長が応える。
「しかしあまり村人の前で軽々しくそんな事を言うものではありませんぞ?」
流石に村長だけあり、すぐに我に返りココへの忠告も忘れない。

キラリとココは目を光らせた。
「心得ておきましょう」
ココとて、先ほどの広場に集まっていた村人にそんな事を言う気は毛頭ないのだ。
それも村長から忠告を受けた事で、線引きの大義名分が出来た。

今回の目的はほぼ達成したも同然だが、もう一つ最悪も見越してだめ押ししておく事にする。
声のトーンを落とし、村長に顔を近付けた。
「…正直なところ、あの高熱では小松くんは危ないかもしれません…儚い命が散るのを看取らせるのは家族でない限りは辛いかと…」
「そ、そんなに悪いのか…」
今までは拾い食いでもしたのだろう、と呆れ半分だった村長の顔がさっと青ざめた。

「教会にいればまだ毒素も抜けやすいでしょうし、幸いな事に僕には毒草や薬草に対する知識もあります。
万一の事があってもすぐ対処出来ます。助かるに越した事はないのですが…」
召された者の魂を天に送り届けるのも司祭の仕事だ。
沈痛な面持ちで言うココに、村長の顔が厳しくなった。

「分かりました、小松の不在は何とかしましょう。宿の者へもこちらから伝えます」
「ありがとうございます。村長さんには定期的に経過を報告しにきます」

「今日は司祭殿の歓迎会とお披露目のつもりであったのに、こんな事になってしまい、すまない」
「いいえ。元々そう派手派手しいのは好きではないので、お気になさらず」
暗に代替えの日を設ける必要はない、と伝える。

今後の礼拝は以前の司祭同様、日曜の朝に行う事。
ただし、告解室については、最初のミサを終えるまで待ってほしいという事。
小松の看病もあるので、基本的には他の人間が大量に押し寄せてくるような事態は緊急を除いて避ける事、など、その後の必要事項や仕事内容等を確認し、ココは村長宅を辞した。

再び中央の広場を通る時、村人の余計な好奇心を煽らないよう、ココは消命を使った。
ココが通る真横で“神父様、格好良かったわよねー”とか“毎週ミサに行くわ!”などと言う会話をしている者、
未だ惚けている者など様々だったが、元々そんなにすぐココが通るとは思っていない事も手伝って、ココに気付く者はいなかった。
ただ村長の家から見送ってくれた使用人だけが、いつまでも頭を下げていた。
 

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プロフィール
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波竹 きみる
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自己紹介:
年齢 :トリコより上
身長 :小松より下
性別 :リンと同じ
星座 :ココと同じ
血液型:サニーと同じ
視力 :ゼブラと同じ
足のサイズ:節乃と同じ

トリコより上で小松より下って何か凄くね?と独りでテンション上げてる可哀そうな大人
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